1.       ミャンマーでは、少数派のイスラム教徒であるロヒンギャの武装勢力に対して、治安部隊が掃討作戦を断行したため、住民の被害が拡大し、隣国のバングラデシュに避難したロヒンギャは、極めて大きな人数に膨れ上がりました。昨年秋、日本のマスコミも、この凄惨なニュースをこぞって報道し、人道的な立場から早急な解決を求めるコメントを乱発しています。

2.       しかし、このニュースを報道しているマスコミ人のほとんどは、日本におけるロヒンギャ問題を知らなかったに違いありません。仏教が圧倒的な地位を持っているミャンマーでは、ロヒンギャの人々は国民と見なされず、移動の自由すらありません。じつは、群馬県の館林市には、亡命してきた200人近くのロヒンギャの人々が「無国籍」のまま、就労許可を与えられることなく放置されています。収容しても退去強制して送還すべき国がないので、入国管理局は収容すらしないのです。遠方のロヒンギャに降りかかった凄惨な運命を同情するのは結構ですが、国内の200人に対して手を差し伸べられないのであれば、このニュースに対してコメントを発する権利などありません。
人道援助, 水, ドリンク, 支援, ヘルプ, 兵士, 軍事, 女性, 女の子
【Timely Report】Vol.18(2017.9.7)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ