l  改正入管法について、安倍首相が「いわゆる移民政策ではない」と言い張ることについて、昨秋から、マスコミや識者は、国連やOECDの定義を掲げて散々批判を繰り返し、「移民か否か」に関する自説を数多く垂れ流してきました。「いわゆる移民政策」という表現自体、定義が曖昧であり、明確な定義を示さないことによって、都合よくその場その場で解釈して逃げおおす「官僚答弁」の典型的な手法。安倍首相の論理に無理があることは明白です。

l  未だに、この「移民禅問答」にこだわる論評も散見されますが、気になるのは、改正入管法や政省令を吟味すれば、住宅確保、十分な理解、教育訓練、健康把握、一時帰国、帰国旅費、苦情・相談、行方不明、転職支援、検査範囲など実務的には問題山積なのに、マスコミや識者と自称する方々が、法制度に関する具体的な批判を一向に展開しないことです。要するに、「移民か否か」という誰でも簡単に論評できる議論には参加するけれど、法令を読み込んだ上で、入管が回答に窮するほどの追及をするつもりははないということなのでしょうか。底の浅い評論など何の役にも立たないのです。

【Timely Report】Vol.371(2019.3.20)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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