l  「特定技能」の議論に絡めて、「韓国に学ぶべき」と語る人たちは、「韓国のように、ブローカーの関与を排除し国が仕切るべき」と声高に主張します。しかし、韓国においても、外国人労働者の生活環境は厳しいままであり、性的暴行や給料不払など、日本の「技能実習」でお馴染みの光景が、「雇用許可制」の下で繰り広げられています。不法残留者や外国人犯罪が問題視され、外国人労働者に関するトラブルが社会問題化しています。

l  国の関与で問題がなくなるのなら、「特定技能」の外国人に係る転職問題は、ハローワークに任せておけば解決するはず。果たしてそうでしょうか。無料のハローワークがあるのに、有料の人材大手が大儲けしているのはなぜなのか、理解しようとしない人が多すぎます。「労働者を搾取しているから儲けている」という発想から卒業できないのなら、問題は絶対に解決しません。

l  国が関与すればうまく行くという幻想は、現在のベネズエラを指摘するまでもなく、数多くの実例によって打ち砕かれてきました。日本でも、厚労省の統計スキャンダルが発覚したばかり。民間企業を巧みに活かすのが肝心です。

 【Timely Report】Vol.415(2019.5.29号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


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