移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

2018年10月

l  韓国では、済州島に上陸して難民申請したイエメン人の集団が問題となってきましたが、481人の75%に当たる362人に1年間の滞在を許可し、就労することや国内を自由に移動することを認めました。難民認定こそ0人でしたが、思い切った判断であることは間違いありません。一部のイエメン人が、SNSに銃を持った写真を掲載していたことについても、「イエメン現地の文化的背景を踏まえるべきだ。男として勇敢さを誇示しようと、銃を持って写真を撮った人もいれば、結婚式のお祝いの行事に出席し、他人の銃を借りて写真を撮り、SNSに掲載する場合もある」として許容しました。

l  このイエメン人の難民問題については、韓国内でも世論が分かれ、その去就が注目されてきました。今回の判断の是非は、今後の展開を慎重に見守るべきでしょう。しかし、それにしても特筆すべきは、韓国の入管が、当初から、地元自治体と協力して、難民申請者への職業斡旋を行ったり、宿所や医療の支援等に努めてきたという事実。日本でも、来春「入国管理在留庁」が発足します。果たして、韓国の入管に負けない働きはできるのでしょうか?
イエメン, フラグ, 不揃い
【Timely Report】Vol.274(2018.10.24)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「韓国で『偽装難民問題』が発生!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

l  日本で働く外国人労働者は、年々増大を続け、128万人に達しました。外国人労働者比率はまだ2%程度にすぎませんが、もはや外国人なしには、少なからぬ産業界はまともに稼働できなくなっています。日本経済の強さを象徴していた製造業も、外国人労働者に見放されてしまえば、あっという間に崩壊の道を辿るかもしれません。ところが、日本の「働く国としての魅力」は、61カ国の内、52位にとどまっており、「労働時間が長い」「人事考課が分かりにくい」「昇進が遅い」という問題点が挙げられています。先進国の中でとりわけ給料が良いわけでもなく、アジア諸国との賃金格差は急速に縮まっています。上海よりも平均給料が低いという指摘もあります。

l  隣国の韓国や台湾は外国人の受入に積極的であり、少子高齢化が進む中国が、労働の「輸出国」から「輸入国」に転じたときに、従来のように外国人労働者が来日してくれると思うほうがどうかしています。「外国人を入れるか、入れないか」ではなく、共存することを前提に、「どこまで外国人に依存するのか」「どの程度、受け入れるのか」を議論すべきときが来ています。
女性, 男, グループ, オフィス, チームワーク, アフリカ
【Timely Report】Vol.121(2018.3.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「日本は選ばれるのか?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

l  ベトナム人による犯罪が増えています。茨城県では、空き巣に入り貴金属などを奪ったとして、ベトナム人の男3人が住居侵入と窃盗で逮捕されました。兵庫県でも、同様の罪で1府3県で空き巣を繰り返し、885万円相当の被害をもたらしたベトナム人の男5人が捕まりました。姫路市内のドラッグストアで万引を繰り返したベトナム国籍の男女3人が逮捕されましたし、神奈川県では違法送金をした罪でベトナム男性が検挙されました。また、東京都や静岡県では、偽造された1万円札を使った罪でベトナム人が摘発されています。愛知県では、ベトナム人による交流サイトが、薬物売買や不正送金など犯罪の温床になっていたとして、閉鎖に追い込まれました。

l  「学生減に悩む私立学校が、出稼ぎ目的で来日したいベトナム人の受け皿になり、人手不足の労働現場に吸い込まれている」と指摘し、「ベトナム人留学生の犯罪多発は、日本社会が構造的に生みだした問題だ」という意見もありますが、ベトナム人が「盗み」という行為を軽く捉えていることも事実でしょう。まずは「盗み=重罪」ということを理解させなければなりません。
泥棒, Rauber, プレデター, 現金, お金, 富, Vermogen
【Timely Report】Vol.94(2018.2.5)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「外国人の受け入れは犯罪を増やす?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

l  いま韓国は、「難民問題」で大騒ぎになっています。内戦下の中東イエメンから大勢の亡命希望者が来韓。「韓国のハワイ」として知られるリゾート地・済州島がビザ不要だったため、LCCの直行便があったマレーシアを経由して殺到しました。ノービザで入国した後に難民申請すると審査期間中は滞在できます。難民認定されなくても訴訟すれば最長3年の滞在が可能になるので、日本の「偽装難民問題」に類似した現象が突如沸き起こったのです。

l  韓国では、今年5月末までに計4万470人が難民申請しました。審査を終えた2万361人における難民認定数は839人であり、全体の4.1%にすぎません(人道主義的な在留許可を含めると7.6%)。世界の難民認定率が38%であることに比べると、日本ほどではないにしろ難民に厳しい国です。もっとも、難民申請後半年以内に就労できないという原則を曲げて、イエメン難民の生活を支援するために早期就労を許可したり、入管が雇用主と難民申請者のマッチングの場を設けたり、申請者の生計費(432900ウォン/人・月)を支援する制度もあり、難民に対し日本よりも遥かに優しい感じがします。
泊まる, 韓国, 鍾路, 看板, 照明, 韓国の夜, ソウル, 夜, 夕方
【Timely Report】Vol.207(2018.7.20)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

1.       2017年秋、ドイツの総選挙で、反難民を掲げる「ドイツのための選択肢」が第3党に躍進しました。メルケル首相は、境界管理を厳重化し、難民認定のハードルを厳格化しましたが、国民の不満は鎮まりませんでした。オランダでは、3月の下院選で、移民排斥を唱える自由党が第2党の座を確保。フランスでも、5月の大統領選で、反移民で知られる国民戦線の党首が決選投票に進みました。1015日のオーストリア総選挙では、自由党が「国を難民に奪われてはならない」と訴え、第2党を争っていますし、イタリアでも、難民問題を背景に右派政党や新興政党が台頭しています。そんな中、米トランプ政権は、難民受入れの上限を半減させる方針を明らかにしました。その影響もあって、米国の不法移民は、カナダに押し寄せているのですが、カナダの与党は、「避難先としてカナダを当てにするな」と言い始めています。

2.       日本の入管行政は、外国人労働者や移民に厳しいことで知られていますが、上記の諸情勢を見て、入管は「自分たちは間違っていない」と確信を深めているはずです。ビザ許可のハードルが緩むことを期待すべきではありません。
グローブ, 地図, の国, 罫線, 古い, アメリカの州, 土地の境界線, 大陸
【Timel
y Report】Vol.36(2017.10.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

↑このページのトップヘ