移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

2019年02月

l  日本企業は、採用において、特殊技能ではなく、学力・自己管理能力・協調性を重視し、新卒者を好みます。これは、「会社が新卒社員を研修して一人前に育てていく」という方針に基づくものですが、「自分で何とかする」という中国人のキャリア形成の考え方とは真逆です。その一方、日本企業は、「苦労して育成した人材が辞めたらどうしよう」と常に懸念しています。一人前に育てる方針は「会社に命を捧げる覚悟」とまでは言いませんが、一定の「忠誠心」を前提にしています。ところが、「中国では会社に命を捧げるという考えはなく、少しでも給料が良ければすぐに転職する」のが現実。

l  日本企業では、忠誠心のない社員は昇格させずに、最下層の仕事をさせるので給料はなかなか上がりません。そして中国人は給料が上がらないと、すぐに転職してしまうのですが、日本企業はそれを見て、「研修しなくて正解だった」と胸を撫で下ろします。中国人から見ると、日本企業は出世が難しく給料が上がらない。でも、日本企業から見ると、中国人は一人前になる前にすぐに辞めてしまう存在なのです。本当に悩ましい問題です。
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【Timely Report】Vol.89(2018.1.29)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  入国管理法の改正がどうなるかはともかくとして、従来以上に、日本人が外国人と接触する機会は増えてくると思われます。果たして、そのとき、日本人が「おもてなし」の精神を貫けるかどうかというと少し不安があります。

l  実際、各種のアンケートでは、「外国人が多いマンションは、日本人の7割が住むのをためらう」と答えていますし、三重県伊賀市の調査では、賃貸住宅の仲介で「家主から外国人については断るように言われた」ことがあるのは78.6%にも上ります。また、「日本で生活する外国人が増えていることに対する印象」を尋ねたところ、「違和感を覚える」という人も3分の1いました。外国人との間で何らかのトラブルを経験したことがある人は6人に1人で、トラブルへの対処方法を聞いたところ、4割の人は、本人に知らせることもなく、問題の解決を諦めていることもわかりました。

l  韓国人弁護士に対する懲戒請求で嫌がらせした事件や、朝鮮人犠牲者式典への追悼文送付を拒む小池都知事の対応等を見ていると、まだまだ、外国人を受け入れるには、課題が山積している現実を確認することができます。
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【Timely Report】Vol.288(2018.11.13)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
観光頼みには限界あり!」も参考になります。

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l  2018年6月末の在留外国人数は263万7251人で,半年前に比べて75,403人増加し、過去最高を記録しました。安倍政権は、この流れをさらに加速させますから、300万人の大台を超えるのは時間の問題です。増えるのはよいとして、問題は受け入れ方でしょう。というのは、これまで日本は、血縁関係のある「日系人」の受け入れにすら失敗しているからです。

l  在日日系社会が直面している現実は甘くはありません。日系人は35歳で孫を持ち、少なからぬ子供たちは学校から落ちこぼれて不良化します。仕事をせずに生活保護にぶら下がる者もおり、子供が多いほど高くもらえる生活保護に甘え、次々と子供を産む悪循環に。じつは、日系人の子供の3~4割は中学校すら卒業していません。これで、日本社会にフィットしてほしいと願っても無理な相談でしょう。その親の在日日系人たちも高齢化を迎えていますが、年金加入期間が足りず、老後の備えが足りない人が大半と言います。

l  いかにきれいごとや見事な論理を振りかざしても、外国人の受け入れは、様々な問題を引き起こします。リアルな難題を直視する勇気が問われます。
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【Timely Report】Vol.256(2018.9.27)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  法務省は、来年4月に「入国在留管理庁」を新設するため、人件費やシステム改修費等出入国管理の関連費用に588億円を計上。入国審査官や入国警備官など536人の増員を求めました。入管関連の人員規模は現在の定員4871人から5407人へと大幅増。「管理」を主旨にした「庁」が立ち上がります。

l  じつは、入国管理局を「庁」に格上げする構想は、以前から提言されていました。2004年4月、経団連が「外国人庁」あるいは「多文化共生庁」の創設を求めたのを皮切りに、2009年12月には、外国人集住都市会議が外国人関連の施策を一元的に担う「外国人庁」の設置を求めて緊急提言。さらに、2013年5月、関西経済同友会が、外国人労働者の入国や定住を支援する「外国人庁」の設置を求めて提言しました。最近でも、細野豪志・元環境相が「外国人庁」の設置を求めていますが、いずれも「定住支援」や「共生」が主旨であり、「管理」が本旨でないことに気付かされます。

l  奥野総一郎衆議院議員も講演で「外国人雇用法」や「外国人基本法」の重要性を説いていましたが、「人」として受け入れる環境を整備すべきです。
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【Timely Report】Vol.265(2018.10.11)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「台湾は移民政策に踏み込む!」も参考になります。

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l  10月11日、愛知県警の警部補と巡査部長が虚偽有印公文書作成・同行使で書類送検されました。2人は、別の署員が職務質問したフィリピン人男性が不法残留にあたると判断。入管難民法違反(不法残留)で現行犯逮捕し、捜査書類を作成したのですが、男性が不法残留を裏付ける旅券等の書類を持っていなかったため、同法違反(旅券不携帯)容疑で現行犯逮捕したように装い書類を再作成。巡査部長は男性の目の前で当初の捜査書類を破り捨てており、同席した通訳の指摘によって問題が発覚。2人は書類を偽造した理由について、「手続きが煩雑だった」と説明しています。

l  「煩雑だったから法律に違反した」ことが許されるのであれば、「煩雑だったから旅券を携帯していなかった」ということも許されるべきですが、現実は警察のやりたい放題。捜査書類の偽造など軽い方で、ひどいケースになると、指紋やDNAの偽造のみならず、証言の捏造まで行われます。「悪いことはしていないから大丈夫」というのでは足りません。「適法に行っている」ことを立証する手続を構築し、証拠を作成・承認・保管することが必要です。
税金, 脱税, 警察, 手錠, 詐欺, 租税コンサルタント, 金融, お金
【Timely Report】Vol.269(2018.10.17)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「取り調べの罠に気を付けましょう!」も参考になります。

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