移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

2021年03月

l  3月26日、日本政府は、安全保障上で重要な土地の取引を調査・規制する法案を閣議決定しました。自衛隊施設の周辺や離島の土地を取得する場合、氏名や国籍、利用目的を事前に届け出るよう義務付けることになります。懲役2年以下もしくは罰金200万円以下という罰則も科すことのできる法案なので、過度な私権制限を防ぐため、規制は「必要な最小限度」とし、2022年4月からの運用を目指し、今国会での成立を企図しています。

l  韓国による竹島の不法占拠が続き、中国による尖閣諸島の威嚇が高まる中、長崎県対馬市で韓国系企業が海上自衛隊施設の隣接地を買収したり、中国資本が航空自衛隊千歳基地に近い苫小牧市内の森林を買い取ったことが問題視されています。こうした環境に鑑みれば、当然の立法内容と思われます。

l  ただし、この法案の背後に潜む「排外的な世論」には留意が必要です。緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルスの変異株のリスクが殊更に強調され、外国人の入国規制は当分の間続く可能性大。今後、中高齢社員の失業問題が浮上して来れば、入国禁止の解除はさらに遠のくでしょう。

【Timely Report】Vol.7982021.3.29号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  中川正春・衆議院議員が、2012年に内閣府特命大臣(共生社会)に就任した際に「移民基本法を作りたい」と発言したら抗議が殺到。その後、「外国人材」という言葉に言い換えたそうですが、それだけ「移民」という語感に反発する人が多かったということなのでしょう。しかし、その結果、「移民」という言葉はタブーとなり、日本政府は、実習生や日系人などの裏口で受け入れながら日本社会を維持してきました。完全な「二枚舌」です。

l  その結果、「そこにある不都合な現実」を、「移民を受け入れていないのだから、問題などあるはずがない」という建前でごまかし、為すべき改革を放置してきました。連綿とした日常業務の中で培われてきた「見て見ない振り文化」を一晩で刷新することは困難です。「出入国在留管理庁」という看板に掛け替えても、攘夷派筆頭の入管が共生派に生まれ変わるわけもありません。

l  外国人人口が220万人になる中、過半数が「移民」に賛意を示すなど、国民のほうが現実的なように見えます。政治家も言葉遊びを止めて、「移民基本法」や「外国人基本法」を制定する方向で議論すべきではないでしょうか。

【Timely Report】Vol.443(2019.7.8号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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l  2月20日、日系ペルー人の男性が、収容所の職員に制圧された際に暴行を受け、腕の骨にひびが入ったとして、国に約200万円の損害賠償を求めて提訴しました。これに限らず、収容に関する入管の言動や収容の長期化については、各方面から批判が高まっています。

l  昨年3月まで18年働いた元入管職員でさえ、「未来を見据えたビジョンも人権への配慮も欠いたまま、ただやみくもに長期収容を常態化させてしまった政策的失敗がある」「被収容者を非人道的環境に置くことで、彼らが『帰国する』と音を上げるのを待っているのです。それが入管職員の成果になる」「入管の問題は3つ。①一つは基準がないこと。これをやれば収容、これをクリアすれば仮放免といった基準がない。②ふたつ目が、許可・不許可の判断プロセスが不透明。③3つ目が、収容に裁判所など外部が関わらないこと。だから、入管は自らの裁量だけで長期収容ができる」と指摘しているほど。

l  指摘された、①基準がない、②プロセスが不透明、③外部の不関与、という入管の問題は、在留資格の審査でも同じ。改善される日は来るのでしょうか。

【Timely Report】Vol.643(2020.4.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管法違反:またまた派遣会社が摘発される!」も参考になります。
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l  福岡市内のある日本語学校では、非常勤講師の契約が直接雇用から業務委託に変更されました。「感染症対応休業支援金・給付金」の対象外となった当該講師は、休業手当の支払義務を逃れるためではないかと主張しています。

l  客観的に見れば、「4月に遡って業務委託へ変更する」というのはいかがなものかと思いますが、昨春から新規の留学生をほとんど受け入れることができていない日本語学校を経営する側からすれば、時間の経過とともに資金が流出していくだけで、破綻に向かってまっしぐら。厳しい台所事情に鑑みれば、なりふりなんか構っていられないという状況なのでしょう。

l  緊急事態宣言は解除されたものの、外国人の入国禁止措置の解除はお預けになったため、新規留学生は、「特段の事由」という裏口入国にしか頼れません。しかも、1日2,000人という上限が決まっている中で、オリンピック関係者やプロアスリートなどが埋めきれなかった枠を奪い合う構図になります。官房長官によれば、留学生も認められる方向とは言え、すべての外国人受け入れ学校に平等に割り振られるわけでもありますまい。苦境は続きます。

【Timely Report】Vol.7972021.3.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  「3密」と言えば、「密閉・密集・密接」のことですが、北海道石狩市では、6月の「不法就労外国人対策キャンペーン月間」で、「許すな『密入国・密輸・密漁』なくそう『不法就労』!」というスローガンを掲げ、この「3密」を書いた懸垂幕を市役所庁舎で掲示していたそうです。

l  もちろん「密入国」は入管法違反ですが、今では新型コロナウイルス感染症の対策で、普通に入国することすら難しくなっているので、已むに已まれぬ事情がある人たちは「密入国」を図るようになるかもしれません。特に、「新型コロナウイルスの感染者はゼロだ」と対外的に言い張っている北朝鮮では、医療体制が整っておらず、食糧事情も良くないので人々の免疫力が高くない可能性があり、感染爆発が発生する可能性も皆無ではないと思われます。

l  そうなった場合、日本への密入国を図る北朝鮮の人たちが急増するリスクも。近年、粗末な木造船で漂流するケースが増えているだけに心配です。実際、韓国では、ゴムボートによる中国からの密入国が問題になっています。同様の事件が、北朝鮮から日本へのルートで発生しなければよいのですが・・・。

Vol.694(2020.7.15号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:ロボ酒場のレモンサワーは高い?」も参考になります。
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