移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

カテゴリ: アメリカ

l  123日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王、米メキシコ国境に壁を建設するドナルド・トランプ米大統領の計画を「狂気の沙汰」と非難し、移民に対する「恐怖感によって私たちは苛立っている」と述べました。米メキシコ国境については昨秋以降、中米から米国を目指す移民集団(キャラバン)の北上により、不法移民や国境壁建設を巡る議論が激化しています。

l  興味深いのは、トランプ米大統領一族が経営する「トランプ・オーガニゼーション」のゴルフ場で、不法移民を雇っている疑いが浮上していること。ニュージャージー州にあるトランプ大統領のゴルフ場で不法就労していたビクトリア・モラレスさんは、「数百万人の不法移民を代表して出席する」とし、2月5日の一般教書演説に出席すると報じられています。

l  米国内の不法移民(2016年)は1070万人で人口の3.3%とされており、このうち780万人が働き、国内労働力の4.8%を担っていると推計されています。「法令が求める机上の空論」と「人間や企業が営む現実」が異なっているのは日本だけではありません。トランプ米大統領はどう捌くのでしょうか。
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【Timely Report】Vol.324(2019.1.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「トランプ大統領は二枚舌か?」も参考になります。

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l  日本においてトランプ米大統領は「悪役」です。トランプ氏の支持者はほとんどテレビに出てきませんし、ポジティブに評価する専門家にもお目にかかりません。流されてくるニュースはネガティブな内容ばかり。ところが、直近の世論調査によると、トランプ大統領の支持率は45%と就任以来最高になったと言います。マスコミ情報を鵜呑みにするのは危険です。

l  「米キニピアック大による世論調査」に関する75日の報道を例に取りましょう。まずは、時事通信。「半数が『トランプ氏は人種差別主義』移民政策に厳しい目」という見出しを掲げ、「米国民の49%がトランプ大統領を『人種差別主義者』だと答え、そう思わないとする47%を上回った。中米からの不法入国者に対する厳しい取り締まりや、イスラム圏一部諸国からの入国制限を進めるトランプ氏に、厳しい目を向ける国民が多いことを示した。トランプ氏の移民政策に対する支持率は39%で、不支持の58%を大きく下回った。親子が引き離されて収容された問題への対処では、60%がトランプ氏の政策を支持しないと回答した。国境で親から引き離された子供について表す言葉を挙げてもらったところ、『悲しい』『恐ろしい』『悪い』『間違っている』など否定的感想が上位に並んだ」と報じました。トランプ氏はボコボコです。

l  その一方、共同通信は、「トランプ氏の移民政策、世論半々『誠実』『差別』」と総括した上で、「メキシコ国境を越え不法入国した移民親子を分離収容するなどのトランプ米政権の移民政策に関し、トランプ大統領の動機は『国境管理のための誠実な関心』からと考える人が50%、『人種差別的信条』が理由との回答が44%で、ほぼ半々の結果になった。党派別では、与党の共和党支持者の90%が『誠実』、野党の民主党支持者の80%が『人種差別』と答え、分断色が鮮明に。無党派層は『誠実』48%対『人種差別』45%と拮抗した」と指摘しています。どうも、こちらのほうが真実に近いようです。

l  要するに、共和党支持者はトランプ大統領を支持するけれども、民主党支持者は支持しないという至極当たり前の結果が出ただけ。マスコミでは、トランプ氏の移民政策を批判して「自由の女神」に登った女性などが話題になりがちですが、事実を厳密に抽出しないと判断を間違えます。移民問題は感情論に流されやすい事案です。メディアリテラシーを高めることが肝要です。
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【Timely Report】Vol.212(2018.7.27)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「トランプ大統領は二枚舌か?」も参考になります。

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l  トランプ米大統領は、移民に関する「家族呼び寄せ制度」に反対し、合法の移民が家族や親戚を米国に呼び寄せることによる「連鎖移民」を攻撃しています。ところが、配偶者であるメラニア夫人は、旧ユーゴスラビアのスロベニアからきた移民。夫人は「家族呼び寄せ制度」を利用して、両親に「永住権」を取得させたと報じられました。1996年にモデルとして渡米した夫人はトランプ氏と知り合った後、同氏が身元を保証し、2001年に永住権を取得。結婚後の2006年に米市民権を得ました。夫人の両親は70代で特筆すべき技能はありません。夫人が身元引受人となり、親族として呼び寄せたと見られていますが、この制度こそ、トランプ大統領が「連鎖移民」として攻撃している対象そのもの。彼は、呼び寄せ対象を配偶者と未成年の子供に限定すべきと主張していたはずですが、夫人の両親だけは例外なのでしょうか。

l  とはいえ、翻って我が国の在留資格制度を見ると、在留外国人が両親を呼び寄せて日本で一緒に暮らすことができるという仕組み自体がありません。日本在留の外国人からすれば、米国は天国のような国なのです。
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【Timely Report】Vol.130(2018.3.29)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  4月21日、トランプ米大統領は、移民の米国への入国を一時的に停止する大統領令に22日にも署名すると表明しました。永住希望者を対象に60日間適用し、その後に延長を含め再評価する模様です。大統領は「新型ウイルスの影響で失われた米国民の職が、新たに流入した移民に取って換わられるのは間違いで不当だ。われわれはまず、米国の労働者を大切にしなければならない」と説明。「新たな移民に関するこの停止措置は、米国市民にとって不可欠な医療資源を保護することにもつながる」と述べました。

l  新型コロナウイルスの感染拡大に対処するためのロックダウン(都市封鎖)などの影響で、米国は1ヶ月間に全就業人口の15%に相当する約2200万人が失業。失業率が20%に悪化するという予想もあるほどです。ただし、今回の措置では、人手不足に苦しむ医療と農業は対象外になる見通しのようです。

l  日本でも、外国人の解雇が相次ぐ一方で、実習生が来日できずに人手不足に苦しむ業界があるなど、失業の発生と労働力不足が併存しています。政府が舵取りを誤れば、日本でも「移民不要論」が高まる可能性が否定できません。

【Timely Report】Vol.668(2020.6.9号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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l  中米ホンジュラスから米国を目指し、数千人規模のキャラバン(移民の集団)が徒歩で北上を続けています。ホンジュラスは、ギャングと麻薬密輸が横行する国で国民の多くが貧困に喘いでおり、米国で働き祖国に仕送りすることを夢見ています。これに対し、トランプ大統領は、国境に5200人の軍隊を派遣し、「米国への入国は許可されない」と言明。米軍部隊がキャラバンに発砲する可能性について「そうならないことを願っている」と述べる一方、群衆が投石等をした場合は「銃器による攻撃とみなす」と警告しました。

l  思い出されるのは、昨年923日に麻生財務相が、朝鮮半島有事で難民が日本に押し寄せた場合の対応について、「武装難民かもしれない。警察で対応できるか、自衛隊の防衛出動か、射殺ですか。真剣に考えた方がいい」と述べたときに沸き起こった猛反発。トランプ大統領は「キャラバンに対して発砲するかもしれない」と示唆しているわけで、麻生氏の指摘と何ら異なりません。「入国管理」という政策を、「人道主義」のきれいごとだけで語ることは非現実的だという「現実」を直視すべきです。
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【Timely Report】Vol.282(2018.11.5)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「トランプ大統領は不人気なのか?」も参考になります。

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