移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

カテゴリ: その他全般

l  製造業への外国人派遣ビジネスが絶好調です。「派遣スタッフの就業者数が前年比4割増」とか「就業者数が2万人を超えた」「派遣先も登録者も右肩上がり」など景気の良い話が聞こえてきます。中には、中国の大学と提携して現地の学生を採用し、日本企業に派遣する企業すら出てきました。日本のマナーや文化を教えるほか、機械を使った実習研修を実施し、工場などの製造スタッフとして取引先の企業に派遣する予定だと言います。

l  人手不足に苦しむ製造業のニーズが強いのは事実です。しかし、問題は「在留資格」。何ら問題なく工場に派遣ができる在留資格は、「永住者」「永住者の配偶者等」「日本人の配偶者等」「定住者(日系人を含む)」ぐらいで数が限られており、「1万2000人の派遣労働者を、今後は年間1000人のペースで増やしていく」という計画は、「技術・人文知識・国際業務」や「技能」を含めないと(場合によっては、不法残留や難民申請中も)まず不可能です。

l  しかし、それらの派遣は、「資格外活動」ですから入国管理法違反。不法就労を助長しているのに、新聞取材に応じる度胸は本当に大したものです。
アート, ガラス製品, 熱いガラス, 作業ガラス, ジュエル, 男, 人
【Timely Report】Vol.248(2018.9.18)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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私は『知らなかった』は有罪です!」も参考になります。

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1.       2016年の入国管理法改正では、在留資格を取り消す条件が改定されたため、留学生のアルバイトに関して、極めて厳しい内容が含まれています。これまで在留資格が取り消されるのは、「留学」の場合、「学校に通う」という「主たる活動」が3ヶ月を超えて行われないときに限られていたのですが、改正後の入国管理法では、「学校に通う」という「主たる活動」を行っていないときに、アルバイトという「資格外活動」を行っただけでOUTになるのです。極端な話をすれば、学校に在籍していても、授業に出ずにアルバイトばかりしていれば、法律上は、在留資格が取り消され、強制退去にもなり得ます。

2.       雇用主からすれば、「留学生アルバイトのおかげで、いまの日本のサービスが成り立っているのだから、そこまで目くじら立てなくてもよいのに」という話だと思いますが、入管や警察の頭の中では、「留学生アルバイト=搾取、日本語学校=諸悪の根源」という構図が出来上がっています。入管や警察の主張を鵜呑みにして書かれた記事を読めば、如何に彼らが日本語学校や留学生アルバイトを悪者にしたいと思っているかが分かります。
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【Timely Report】Vol.20(2017.9.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  居酒屋「はなの舞」を運営するチムニーは、外国人を活用するため、2018年2月に「グローバル人財開発部」を新設し、経済誌の取材に応じました。ところが、「接客要員」として描かれただけでなく、「正社員として内定した方が申請しているのは専門的・技術的分野での就労ビザ。留学ビザと異なり、『単純労働』で働くことはできない。飲食店の接客業務は、『単純労働』に当たるため、接客業務をすることはできない。従って、何らかのデスクワーク型の『専門的業務』に携わる旨を申請した上で、入管から承認を得る必要がある」という記事に。まるで虚偽申請を企てるかのような書き振りです。

l  案の定、入管から目を付けられて許可率は激減。2019年2月の新聞取材では、「外国人社員12人がバイトのマニュアルの翻訳等の仕事をしています」と入管向けに説明したものの、取材に応じた社員は「日本で刺し身の調理や店舗経営を学んで、将来は母国でレストランを開業したい」と語るチグハグさ。結局、「特定技能」と「N1ビザ」で雇う方針に切り替えました。日の丸自動車も同じ目に遭いましたが、取材はお断りすべきです。

【Timely Report】Vol.614(2020.3.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「入国・在留審査要領:日の丸交通はビザに苦しむ?」も参考になります。
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l  早稲田大学に次ぐ5000人の留学生が在籍している東京福祉大学で、700人の留学生が行方不明になりました。「研究生」として入学した2700人の留学生のうち、4分の1以上が所在不明となり、大学から除籍されました。「失踪」と言えば、「技能実習」というのが定番でしたが、今後は「留学」が問題になるかもしれません。不法残留者の推移を見ると、筆頭の「短期滞在」を除けば、「技能実習」の次が、「留学」(2017.1.1:3,8072018.1.14,100人・構成比 同5.8%→同6.2%)で増加傾向にあります。

l  「特定技能」の場合、1人でも、「企業の責めに帰すべき事由により、外国人の行方不明者を発生させた場合」、特定技能外国人を1年間雇うことができません。学校の場合は、不法残留率が5%を超えた場合に「非適正校」と判定され、留学ビザの審査が厳格化されるのですが、もし公平を期すとすれば、「学校の責めに帰すべき事由により、留学生の行方不明者を発生させた場合」、留学生を1年間受け入れられないという厳罰になります。これは致命的です。「特定技能」に対する規制が如何に厳しいのかが良く分かります。

【Timely Report】Vol.383(2019.4.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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専門学校は慎重に選びましょう!」も参考になります。

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l  「働き方改革」という愚かな経済政策のために、無駄と無理が蓄積されています。「働き方改革で労働環境が良い方向に変化すると思うか」という問いには約6割がネガティブ(「どちらかというと思わない」41.4%:「全く思わない」20.5%)。IT部門の調査では、生産性が「向上している」(13%)という回答よりも「低下している」(18%)が上回るというお粗末さ。

l  「働き方改革」は、「働く時間を短縮すれば労働生産性が向上する」というナンセンスな仮説の下に、「働く時間を短縮せよ、さもなくば罰金をとる」という号令に過ぎず、そんなことで生産性が向上するはずがありません。

l  実際現場では、「働き方改革」が進む中、約6割の先で中間管理職への皺寄せが発生しており、「働き方改革のための残業」という皮肉な現象が生じています。大企業が残業を減らすために、下請けの中小企業に納期短縮を要求するので、中小企業が残業せざるを得ないことも。先見性のあるタニタは、社員の「個人事業主化」を打ち出し、このナンセンスから逃れようとしています。政府の戯言は無視して、独自の解決策を模索すべきです。

【Timely Report】Vol.571(2020.1.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:誤った経済政策が韓国を殺す?」も参考になります。

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