移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

カテゴリ:日本社会 > 移民・難民

l  失踪した技能実習生や偽装留学生・偽装難民を評して、「出稼ぎ目的とはケシカラン」と論じる人もいるのですが、明治元年から20世紀の半ばまでに、日本は100万人を超える「移民」を送り出しました。元々彼らのほとんどは、3~5年働いて故郷に帰ることを目的とした「出稼ぎ」でした。

l  「いまの我々とは関係ない」と言われてしまえば、身も蓋もありませんが、来日している外国人の「出稼ぎ」たちは、当時の「日本人移民」に似た境遇にあります。異国における当時の日系人の苦労を偲んで涙するのであれば、来日している「出稼ぎ」たちの暮らし向きにも手を差し伸べるべきでしょう。

l  日本政府が施行した「移民保護法」(1896年)は、「移民」を「労働ニ従事スルノ目的ヲ以テ外国ニ渡航スル者及其家族ニシテ之ト同行シ、又其所在地ニ渡航スル者」と定義。また、「三、五年の後母国に還る者」を「一時的移民」と分類していましたから、いまの「出稼ぎ」たちは列記とした「移民」です。また、1928年には「国立神戸移民収容所」も開所されました。安倍政権の「移民論議」と比べると、150年前の日本の方が「近代的」に感じます。
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【Timely Report】Vol.238(2018.9.3)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  世論調査によれば、半数を超える人が国内での難民等の受け入れは「少ない」と答えた一方で、今後について「積極的に受け入れるべき」と答えた人は2割余りにとどまりました。あるべき論はともかくとして、「移民基本法」の議論すらできない現状においては、人道上の要請が強かったとしても、今以上に難民の受け入れを拡大するのは、時期尚早と言わざるを得ないでしょう。

l  こうした世論を醸成させているのは、じつは、難民の受入れを主張する人権派の人々。例えば、彼らは「長期収容されている外国人はかわいそうだ」と入管を責め立てて、凶悪な犯罪者も単なるオーバースティやオーバーワークも一緒くたにして「仮放免すべきだ!」と声高に訴えているので、攘夷派の人々が「犯罪者を野に放てと言うのか!」と主張し、一般の日本人は「犯罪者を収容所から出すのは怖いよね」と攘夷派に同調しています。

l  この構図を変えない限り、外国人の受け入れを理解する日本人は増えません。長期収容の廃止を求める人権派の無理筋の主張は、攘夷派にとって「人権派は犯罪者を解放しようとしている」という説得的な証拠になっているのです。

【Timely Report】Vol.638(2020.4.22号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管行政:ローマ教皇の言葉は入管に届くか?」も参考になります。
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l  外国人労働者の人権を軽んじていると非難轟々の安倍政権ですが、じつは、入管法改正の裏側で、移民の人権を保護する国際的な動きに協調していました。それは、「国連移住グローバルコンパクト」への賛成です。

l  世界の移民は25800万人(総人口の3.4%)ですが、難民と異なり、国際的なルールがありませんでした。昨年1219日、国連総会は、移民保護等を目的とする初の枠組みであるこの決議を採択します。採決では、米国を含む5カ国が反対し、オーストラリア、シンガポール、イタリア等の12カ国が棄権しました。そんな中、日本は米国と袂を分かち賛成に回ったのです。

l  グローバルコンパクトは、「移民から自由を剥奪することは最後の手段であり、別の措置がとれるよう努力すること」や「移民が社会の一員として完全に受け入れられるよう後押しすること」「あらゆる形の差別を排除すること」などを含んでおり、この事実を示すだけで、安倍政権が「外国人の人権を無視していない」ことを示すことができます。しかし、広報すると「移民政策をとらない」とするスタンスとの矛盾を突かれるので黙っているようです。
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【Timely Report】Vol.329(2019.1.18)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  2018年220日に外国人材の受入拡大に向けた制度検討を安倍首相が指示したことを受け、内閣官房にタスクフォースが設置され、その3日後には初会合が開催されました。①在留期間に上限を設けることと②家族の帯同を認めないことを条件に、入国管理法改正等を含めて受入拡大を検討すると言います。

l  この方針の矛盾をいち早く見抜いたのが、希望の党の奥野総一郎衆院議員。「専門的、技術的分野の外国人を積極的に受け入れる」と明言しながら、いわゆる「移民政策」は採らない、とする政策の矛盾点を突き、安倍政権に対して「質問主意書」を投げ掛けました。これを受けた安倍政権は、3月9日、一定規模の外国人を家族ごと無期限で受け入れるいわゆる「移民政策」について、「これを採ることは考えていない」とする答弁書を閣議決定。答弁書では、「専門的、技術的分野の外国人を積極的に受け入れることとする現在の外国人の受け入れのあり方と相いれない」と応じています。

l  まるで禅問答なのですが、こんな厚顔無恥な「答弁書」で、真摯に回答しているなどと言い張るから、佐川改竄事件みたいな不祥事が発生するのです。
イスラム教徒, 移民, アメリカ, 私たち, 抗議, ラリー, 人, トランプ
【Timely Report】Vol.127(2018.3.26)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「日本の難民政策をKKKが讃える?」も参考になります。

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l  「特定技能」による外国人労働者の受入拡大が打ち出される3ヶ月前、70人を超える自民党有志の議員が参加し、「地域の農林水産業振興促進議員連盟」が発足しました。会長に就任した竹下亘・自民党総務会長は、その時点ですでに、「農業の将来を考えると、移民政策も含めて国会でも議論し、国民のコンセンサスを確立する必要があります。今は実習生として受け入れていますが、このままでいいのか。放置しておくと不法就労が増えます。外国人ゼロではもう農業はやっていけません」と断言していました。

l  「移民」を「有効なビザを保有し、90日以上在留予定の外国人」と定義すれば、39万人が流入した日本(2015年)は、ドイツ(202万人)、米国(105万人)、英国(48万人)に次ぐ世界4位の「移民大国」。移民に寛容なイメージのあるスペイン(29万人)・カナダ(27万人)・オーストラリア(22万人)よりも多く、排斥に傾くイタリア(25万人)を遥かに上回っています。

l  「移民」と呼ぶか呼ばないかにかかわらず、外国人が数多く在留していることは事実。この事実を直視して適切に対応しないと、後顧に憂いを残します。
パディントン, クマ, 駅, 像, 肖像画, 見, 後, マーマレード, 帽子
【Timely Report】Vol.208(2018.7.23)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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