移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

カテゴリ:日本社会 > 犯罪・排外主義

l  8月22日、国民健康保険の出産育児一時金を不正に受給したとして、ボリビア人男女が逮捕されました。女性が、ボリビアで3つ子を出産したように装い、2017年5月に千葉市内で偽造した出生証明書など虚偽の申請書を提出して、出産育児一時金121万2000円を騙し取っただけでなく、同年6月、群馬県太田市で同じ手口で出産育児一時金を騙し取ろうとしたようです。

l  出産育児一時金は、国民健康保険などの被保険者が出産したとき、1児につき42万円が支給されるもの。男性は、8月1日、別のボリビア女性と共謀して、同じ手口で、大阪府内の自治体から約126万円を騙し取った疑いで逮捕されていました。男性は、外国文書の翻訳や書類作成代行を営んでいる日系人で、南米系コミュニティの「ボス」として知られており、同様の事件に約40件関与して、2000万円以上を詐取したと見られています。

l  こういう事件があると「外国人は危ない」という短絡的な話になりがちですが、同種の詐欺の首謀者は外国人に限りません。外国人を過度に美化せず、かつ、過度に危険視せずに、「そこにある現実」として共生を探るべきです。

【Timely Report】Vol.537(2019.11.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:根拠もないのに外国人排斥」も参考になります。


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1.       外国人犯罪に関する報道が増えています。2016年の統計で確認してみましょう。犯罪被疑者90.3万人のうち外国人は2.1万人で、外国人比率は2.3%。ただし、入国管理法違反で罪に問われている人が0.4万人いますから、実質的に1.7万人と考えれば、外国人比率は1.9%になります。日本に在留している外国人の人数は、全体の人口の1.8%ですから、ほぼ人口比に応じた数字であると評価することができないわけではありません。

2.       しかし、個別の犯罪における外国人比率に目を転じると、典型的な外国人犯罪とも言える入国管理法違反(84.4%)、関税法違反(23.0%)、風営法違反(20.4%)、売春防止法違反(18.0%)、商標法違反(14.3%)はともかくとして、盗品等関係(8.3%)、強盗致死傷(7.0%)、強盗(5.6%)、殺人(5.6%)、薬事関係(5.5%)、傷害(5.3%)、窃盗(4.5%)、強姦(4.5%)が目を引きます。この数字を見ると、「外国人を受け入れると犯罪が増える」という入管や警察の主張を退けることは困難であり、日本では「外国人労働者を大々的に受け入れるべき」という議論にはならないと考えた方がよさそうです。
手錠, ブラック, 刑事, 逮捕, ボンデージ, 犯罪, 法, 正義, チェーン
【Timely Report】Vol.16(2017.9.4)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  新型コロナウイルスの感染拡大は、世界各地でゼノフォビア(外国人嫌悪)とレイシズムの広がりを招いています。米国や欧州では、かつての黄禍論を想起させるアジア人差別が横行しており、アジア系であるという理由だけで暴行を受けるというヘイトクライムも少なくありません。

l  日本も同じ。「感染者の3割が外国人」などといった誤った情報がTwitterで広まり、元々あった「国民健保タダ乗り論」を煽りました。在日外国人との交流施設である「川崎市ふれあい館」を爆破することを予告する年賀ハガキが送りつけられ、埼玉朝鮮初中級学校幼稚部に対するヘイトスピーチが昂ぶりを見せています。「中国人お断り」の張り紙を提示する商店が現れ、横浜市の老舗中華料理店には「出ていけ」と書かれた手紙が送りつけられました。クルーズ船のウイルス感染者を藤田医科大岡崎医療センターに受け入れた際、「外国人に税金を使うな」という抗議電話が愛知県庁に相次ぎました。

l  新型コロナウイルスは人種も国籍も選びません。しかし人々は、新型コロナウイルスを契機に、人種と国籍の間に分厚い「心の壁」を築いてしまいます。

【Timely Report】Vol.661(2020.5.29号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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l  1月28日、日本政府は新型肺炎を「指定感染症」に指定しました。これで、入国を拒否する体制が整います。それまでは、体調不良の人に自己申告するよう促す健康カードを配布したり、発熱等の症状の有無や連絡先を記載する質問票を配るだけでしたから、自主申告がなければ、入国し放題でした。

l  じつは、入管法第5条第1項第1号は、「指定感染症」だけでなく、「新感染症」についても入国拒否ができる建付けになっています。つまり、「指定感染症」でなくとも、「新感染症」と解釈すれば入国拒否できたのです(要医師の診断)。しかも、入管法第7条第2項は、「上陸のための条件」に適合していることの立証責任を外国人に課していますから、入国を希望する外国人に対して、「新感染症である新型肺炎に罹患していないこと」に関する立証を求めることは、「指定感染症」に指定される前でもできないわけではない。

l  無論、入管からすれば、「それは厚生労働省の仕事であって、入管の責任じゃない」ということなのでしょうが、そういう「縦割り行政の問題」を解決するために、「司令塔」としての入管庁を新設したはずです。

【Timely Report】Vol.619(2020.3.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「入管行政:SNSの友人で入国拒否する?」も参考になります。
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l  日本で働く外国人労働者の賃金は、国内全体の平均よりも3割弱低いことが分かりました。フルタイムで働く外国人の賃金は、残業代等を除いた月額の平均で223,100円。国内全体平均が307,700円ですから、84,600円下回っています。この主因は、外国人労働者の勤続年数が平均3.1年に過ぎず、一般労働者の12.4年との差が大きいとされていますが、実態としては、「技能実習」の影響が大きいと見るべきでしょう。「技能実習」の賃金は156,900円にすぎず、一般労働者全体の半分ほどにとどまっているからです。

l  その一方、「技術・人文知識・国際業務」などを含む「専門的・技術的分野」の賃金は月額324,300円で、日本人を含む正社員全体(325,400円)とほぼ同水準であり、該当する外国人の勤続年数が2.7年にすぎず、正社員全体が13年であることに鑑みれば、外国人の方が賃金水準は高いとさえ言えます。

l  外国人の賃金水準を押し下げているのは、外国人差別ではなく、「技能実習」という制度的な要因が主なのですから、「技能実習」ではなく、「技術・人文知識・国際業務」による外国人雇用を推進していくことが望まれます。

【Timely Report】Vol.659(2020.5.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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