移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

カテゴリ:日本社会 > 犯罪・排外主義

l  6月に大村入国管理センターで長期収容中のナイジェリア人男性が餓死してから、各地の入管収容施設でハンストが拡大。ハンストで衰弱した収容者に対しては、仮放免した場合、2週間後に再収容するという運用が為されているため、それがさらに関係者の怒りを呼んでおり、与野党の国会議員への陳情も行われています。しかし、陳情内容は、「かわいそうだから仮釈放すべき」という心情的な訴えが多く、「予防拘禁(再犯の恐れを理由に拘禁すること)は人権侵害だ」という法理論による武装も「全員釈放すべき」という結論になりますから、入管として受け入れられる提案ではありません。

l  入管の運用を本気で変えたいのなら、受け入れられるギリギリの提案をすべきです。入管法以外に重い法令違反を犯していない収容者(オーバーワークや短期間のオーバーステイ等)は仮放免すべきという案なら入管も検討可能でしょう。あるいは韓国のように、超過滞在期間に応じた罰則金を支払えばよいという割り切りでもよいかもしれません。入管法にも仮放免の際に保証金を預託させる制度があるのですぐに対応可能です。

【Timely Report】Vol.593(2020.2.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:収容問題はフェアに報道すべき!」も参考になります。


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l  2019年321日、イチロー選手が引退を発表しました。会見で「アメリカでは僕は外国人ですから。このことは外国人になったことで人の心を慮ったり、痛みが分かったり、今までなかった自分が現れたんですよね。体験しないと、自分の中からは生まれないので、孤独を感じて苦しんだことは多々ありました。その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだよと今は思います」と語ったことが話題となり、SNSでは、「人生に一回はマイノリティーの立場を経験してみるのが良い」など支持する投稿が相次ぎました。

l  異国に行けば、日本人は「外国人」です。移民問題を議論する際には、「異国で自分がどのように扱われたいのか?」という視点が欠かせません。そういう見識を身に付けていないと、移民に断固反対しておきながら、「もし日本が戦争になれば、私は家族を国外に逃がしたい。日本が崩壊すれば、子供達はそのまま外国で暮らせばいい」などという身勝手な論理を振り回す評論家や、差別発言を吐いた世田谷年金事務所所長を容認することになってしまいます。イチローが語った言葉を大切にしていきたいものです。

【Timely Report】Vol.393(2019.4.19)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  入国管理法の改正がどうなるかはともかくとして、従来以上に、日本人が外国人と接触する機会は増えてくると思われます。果たして、そのとき、日本人が「おもてなし」の精神を貫けるかどうかというと少し不安があります。

l  実際、各種のアンケートでは、「外国人が多いマンションは、日本人の7割が住むのをためらう」と答えていますし、三重県伊賀市の調査では、賃貸住宅の仲介で「家主から外国人については断るように言われた」ことがあるのは78.6%にも上ります。また、「日本で生活する外国人が増えていることに対する印象」を尋ねたところ、「違和感を覚える」という人も3分の1いました。外国人との間で何らかのトラブルを経験したことがある人は6人に1人で、トラブルへの対処方法を聞いたところ、4割の人は、本人に知らせることもなく、問題の解決を諦めていることもわかりました。

l  韓国人弁護士に対する懲戒請求で嫌がらせした事件や、朝鮮人犠牲者式典への追悼文送付を拒む小池都知事の対応等を見ていると、まだまだ、外国人を受け入れるには、課題が山積している現実を確認することができます。
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【Timely Report】Vol.288(2018.11.13)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  2019年12月30日、前日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告は、「迫害から逃れる」として、日本を不法出国し、国籍を持つレバノンに入国しました。入管法は、日本を出国する際、空港などで入国審査官の確認を受けなければならないと規定しており(入管法第25条)、違反した場合は1年以下の懲役もしくは禁錮などの罰則が定めています(入管法第71条)。

l  今回の不法出国は、「罪を認めるまで釈放しない」という人質司法のドグマとその威力に頼りすぎているために、人権問題で釈放せざるを得なくなったときに、「釈放するけど逃亡させない」という工夫が足りなかったという話でもあります。ゴーン側が提案していた「アンクレット(GPS付きの足枷)を付ける」という条件を呑んでおけば、今回の不法出国は防げたでしょう。

l  じつはこれ、長期収容している外国人にも通じる話で、「国外退去を認めるまで出所させない」というドグマとその威力に頼り過ぎているから、人権問題で仮放免せざるを得なくなったときに、「仮放免はするけど悪さはさせない」という工夫がないのと同じ。入管もいまのやり方を再考すべきです。

【Timely Report】Vol.610(2020.3.12号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:人質司法に屈しないために」も参考になります。
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l  8月22日、国民健康保険の出産育児一時金を不正に受給したとして、ボリビア人男女が逮捕されました。女性が、ボリビアで3つ子を出産したように装い、2017年5月に千葉市内で偽造した出生証明書など虚偽の申請書を提出して、出産育児一時金121万2000円を騙し取っただけでなく、同年6月、群馬県太田市で同じ手口で出産育児一時金を騙し取ろうとしたようです。

l  出産育児一時金は、国民健康保険などの被保険者が出産したとき、1児につき42万円が支給されるもの。男性は、8月1日、別のボリビア女性と共謀して、同じ手口で、大阪府内の自治体から約126万円を騙し取った疑いで逮捕されていました。男性は、外国文書の翻訳や書類作成代行を営んでいる日系人で、南米系コミュニティの「ボス」として知られており、同様の事件に約40件関与して、2000万円以上を詐取したと見られています。

l  こういう事件があると「外国人は危ない」という短絡的な話になりがちですが、同種の詐欺の首謀者は外国人に限りません。外国人を過度に美化せず、かつ、過度に危険視せずに、「そこにある現実」として共生を探るべきです。

【Timely Report】Vol.537(2019.11.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:根拠もないのに外国人排斥」も参考になります。


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