移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

カテゴリ: 入管問題

l  3月19日、技能実習先から失踪したベトナム人を違法に働かせたとして人材派遣会社社長らが逮捕された事件で、ベトナム人が派遣されていた化学薬品会社の社長と役員、法人としての同社が入管法違反(不法就労助長)の疑いで書類送検されました。2019年8~11月、技能実習先から失踪し、在留期限が切れるなどしたベトナム人4人を工場で働かせた疑いです。

l  外国人派遣における不法就労の実態を見れば、派遣先企業の関係者が頻繁に逮捕されてもおかしくはないのですが、摘発に至る事件は多くありません。今回の場合は、人材派遣会社が「グレー(就労資格がない人物)を派遣する。グレーを使うのはどこでもやっている」と勧めたという事実があり、社長が「日本人の採用が集まりにくく人材確保に困っていた」と自供したようです。

l  摘発された派遣先企業の関係者は、ある意味で素直な人たち。多くの派遣先は、知らぬ存ぜぬを貫くために、グレーな派遣だと気づいていても、敢えて在留カードを確認せず、派遣会社に責任を押し付ける確信犯。今後は、派遣企業に責任を押し付けている派遣先が摘発されるか否かがポイントです。

【Timely Report】Vol.654(2020.5.20号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管法違反:外国人派遣は派遣会社が悪い?」も参考になります。
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l  3月16日、ドイツは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、隣接するフランスなど5カ国との間で国境検問を開始。通勤者の移動や貨物輸送は認めるものの、特別な理由のない外国人は入国できなくなり、事実上、国境は封鎖されます。EUは、入国審査なしで互いに行き来できるシェンゲン協定を結び、移動の自由を保障してきましたが、この大原則に反する行為です。EU加盟国では、すでにポーランド、デンマーク、チェコなどが外国人の入国を禁止する措置を取っており、ドイツは国内の感染者が4000人を超えるなか、厳しい措置を取らざるを得なくなったと見られています。

l  一足先に新型コロナウイルスが大流行した韓国をみると、136の国と地域が入国を制限したり、入国手続を強化しています(3月15日時点)。じつは、日本に関しても、22の国と地域が入国制限を行っており、53の国と地域が入国後の行動制限措置を実施しています(3月5日時点)。

l  新型コロナウイルスは、各国の国境を封鎖し、人々の交流を妨げる方向に強烈に機能しています。人々の心に国境が生じないことを祈っています。

【Timely Report】Vol.650(2020.5.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管法違反:またまた派遣会社が摘発される!」も参考になります。
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l  2月28日、入管庁は、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて、3月中に在留期限を迎える外国人を対象に、在留期間を更新したり在留資格を変更したりするための申請手続きを1カ月間猶予すると発表しました。申請時期を分散させることで、窓口における感染リスクを下げることが目的だといいます。全国に64カ所あるすべての窓口で実施されます。

l  同様の措置は、他国でも実施されています。中国では、新型肺炎の予防・抑制期間中に、中国に駐在する外国人の居留期限が切れる場合、自動的に2ヶ月延期することができ、延期手続き無しで合法的に居留し、正常な出入国もできるとしています。韓国でも、滞在許可の有効期限が近い約136,000人の期限を一括延長し、4月30日までにしました。2月24日から4月29日までに滞在許可が期限を迎える人は自動的に期限が延長されるといいます。

l  新型コロナウイルスは、留学生の就活にも大きな影響を及ぼしていますし、外国人派遣労働者の首切りも大量に発生しています。1ヶ月で果たして十分かという議論はありますが、入管の迅速な決定を高く評価したいと思います。

【Timely Report】Vol.645(2020.5.7号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管法違反:またまた派遣会社が摘発される!」も参考になります。
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l  2月20日、日系ペルー人の男性が、収容所の職員に制圧された際に暴行を受け、腕の骨にひびが入ったとして、国に約200万円の損害賠償を求めて提訴しました。これに限らず、収容に関する入管の言動や収容の長期化については、各方面から批判が高まっています。

l  昨年3月まで18年働いた元入管職員でさえ、「未来を見据えたビジョンも人権への配慮も欠いたまま、ただやみくもに長期収容を常態化させてしまった政策的失敗がある」「被収容者を非人道的環境に置くことで、彼らが『帰国する』と音を上げるのを待っているのです。それが入管職員の成果になる」「入管の問題は3つ。①一つは基準がないこと。これをやれば収容、これをクリアすれば仮放免といった基準がない。②ふたつ目が、許可・不許可の判断プロセスが不透明。③3つ目が、収容に裁判所など外部が関わらないこと。だから、入管は自らの裁量だけで長期収容ができる」と指摘しているほど。

l  指摘された、①基準がない、②プロセスが不透明、③外部の不関与、という入管の問題は、在留資格の審査でも同じ。改善される日は来るのでしょうか。

【Timely Report】Vol.643(2020.4.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  「特定技能」に圧勝した「技能実習」に新たな敵が立ちはだかりそうです。

l  発注元企業Aが、下請企業Bで実習生を雇用していることを知った場合、その実習生が送り出し機関等に支払った費用に束縛されて働かされるのは強制労働に当たるので、「下請企業Bはその費用を肩代わりせよ」と迫るケースが発生しています。発注元企業Aの顧客であるグローバル企業Cが「SA8000(強制労働の禁止等を定めた就労環境評価の国際規格)」の認証を受けており、「移民労働者が負債を背負って働くのは強制労働に当たる」と考えているため、発注元企業Aにその履行を求めているわけです。グローバル企業がサプライチェーンに責任を負う慣行は国際的に定着しました。自社でなくとも、下請企業が強制労働に関与した場合は、非難の的になります。

l  じつは、東京オリンピックでも、強制労働をさせられている実習生が関った野菜は使えないという話がありました。この件は、日本政府は、国際規格(GAP)を緩和してごまかしましたのですが、時代が激変していく中で、「技能実習」の既得権益を墨守し続けることはできるのでしょうか。

【Timely Report】Vol.632(2020.4.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「技能実習:「技能実習」は法令違反だ!」も参考になります。
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