移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

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l  428日、スペインで総選挙があり、下院ではサンチェス首相率いる中道左派・社会労働党が第1党になりましたが、「不法移民は強制送還」「モロッコ国境に壁を作る」と公約する新興右翼政党VOX24議席を獲得。1975年の死去まで実権を握った独裁者フランコに関する苦い記憶があるので、有力な極右政党が出てこなかったスペインにおいて、極右政党が国政に進出したのは1978年の民主化以来初めてです。VOXは、EUに対して、国境検問の再開を廃止したシェンゲン協定の凍結を要求しています。

l  昨年イタリアで反移民政党が参加する政権が発足したことで、地中海を渡って欧州に入る移民や難民の多くはスペインに向かっています。昨年1年間で、ギリシャやイタリアより多い58569人の難民が流入しました。VOXは移民急増への不安や既成政党への不満を吸収し、支持層を急拡大。フランスの極右政党「国民連合」のルペン党首は早速歓迎を表明。5月後半の欧州議会選挙で伸長が見込まれる極右勢力がさらに勢いづく可能性があります。

l  欧州における「反移民」の流れは、しばらく収まりそうにありません。
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【Timely Report】Vol.438(2019.7.1号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  昨年12月、イタリアで、人道的理由による難民の滞在許可を廃止する法律が制定されました。戦争や政治的迫害以外の理由による難民に対して居住許可や身分証明書の発行ができなくなり、多くの難民が不法滞在状態に陥ることになります。この法律に対して、「憲法に謳われている人権を侵害する」と主張して、パレルモ市長が反旗を翻します。ナポリ市長やパルマ市長も同調して、滞在許可を発行し続けます。政府高官は、「不法移民を助けるものはイタリアを憎んでいる」と述べ、法的手段に訴える方針を表明。市長たちは受けて立つ構えです。イタリアでは、昨年秋、リアーチェ村長が、類似の事件で強権的に排斥されており、今後の展開が注目されます。

l  不法移民を助けることは犯罪か否かという問いは、万国共通の難問です。米国では、国境付近の自然保護区に無断で入り、不法入国者のために水と食料を置いて立ち去ったボランティアが有罪になりました。一方、フランスでは、移民を不法入国させる手助けを行い、廃駅にかくまった人の有罪判決が破棄されました。日本では明確に争われたことはないようですが、果たして?

【Timely Report】Vol.396(2019.4.24)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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l  イタリア南部に、人口の4分の1が外国人というリア―チェという村があります。ゴーストタウン寸前だった村を救ったのがルカーノ氏。難民の人々を受け入れ、廃屋を修復して住居を確保しビザを手配しました。また、国からの助成金で地域通貨を発行して、織物やガラス細工などの技術を難民たちに教えて、自分たちで働いて、毎日の糧を得られる経済圏を構築しました。この成功により、2016年に「フォーチュン誌」で世界のリーダー50人のひとりに選ばれたほか、ローマ教皇からも深い感謝と共感が寄せられました。

l  ところがイタリア政府は、入札手続を経ずに難民が関わる団体とゴミ収集の契約を結んだり、難民が滞在できるよう村民との結婚手続きをしたりしたとして、ルカーノ氏の行為を「非合法に滞在する外国人の違法援助」と断定し自宅で拘禁。難民たちも村外に移送することを決定しました。難民排斥を主導する政府の横暴だとして反発する声も強いのですが、これが入管政策の難しさ。「人道主義」だけで突っ走るわけにはいかず、かといって、杓子定規な「法令主義」はあまりにも非人間的。果たして日本は?
チンクエ ・ テッレ, イタリア, Manarola, リグーリア州, 岩, 海
【Timely Report】Vol.204(2018.7.17)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「欧州で反移民が止まらない!」も参考になります。

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1.       2017年秋、ドイツの総選挙で、反難民を掲げる「ドイツのための選択肢」が第3党に躍進しました。メルケル首相は、境界管理を厳重化し、難民認定のハードルを厳格化しましたが、国民の不満は鎮まりませんでした。オランダでは、3月の下院選で、移民排斥を唱える自由党が第2党の座を確保。フランスでも、5月の大統領選で、反移民で知られる国民戦線の党首が決選投票に進みました。1015日のオーストリア総選挙では、自由党が「国を難民に奪われてはならない」と訴え、第2党を争っていますし、イタリアでも、難民問題を背景に右派政党や新興政党が台頭しています。そんな中、米トランプ政権は、難民受入れの上限を半減させる方針を明らかにしました。その影響もあって、米国の不法移民は、カナダに押し寄せているのですが、カナダの与党は、「避難先としてカナダを当てにするな」と言い始めています。

2.       日本の入管行政は、外国人労働者や移民に厳しいことで知られていますが、上記の諸情勢を見て、入管は「自分たちは間違っていない」と確信を深めているはずです。ビザ許可のハードルが緩むことを期待すべきではありません。
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【Timel
y Report】Vol.36(2017.10.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  ヨーロッパが揺れています。6月10日に、地中海を渡り欧州に向かう難民ら630人を乗せた船の入港をイタリアのサルビーニ副首相が拒否。11日にスペインが人道的な見地から同国への入港を認めると、サルビーニ氏は「イタリアの勝利」と勝ち誇りました。これに対し、仏のマクロン大統領が12日に「イタリアは責任感が欠如している」と批判すると、イタリアは13日に予定されていた経済財政相の訪仏を取りやめ、15日に予定されていた仏伊首脳会談の中止も示唆。マクロン大統領の譲歩により、首脳会談は予定通り開催されましたが、難民問題の深刻さを物語る出来事でした。

l  仏伊首脳会談では、アフリカに難民手続き施設を設置するように呼び掛けたほか、EU規則(難民が域内で最初に到着した国で保護申請する)の変更を求めることになりましたが、ハンガリーやオーストリアなどの「反移民陣営」にイタリアも加わったことで、EUの舵取りはかなり困難になりました。

l  日本でも、反移民に傾くEUを引き合いに出して、反移民派がこれから反撃に転じます。安倍政権が打ち出した「特定技能」はどうなるでしょうか。
アーキテクチャ, トレビの泉, アート, バロック, 泉, イタリア
【Timely Report】Vol.188(2018.6.22)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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