移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:カナダ

l  「特定技能」については、大都市圏に外国人が集中しないような措置を講じることになりました。地方の最低賃金が大都市圏に比べて低い(東京都985円・鳥取県762円)ので、外国人労働者が都市部に集中するという懸念に応えたものです。実際、入国管理法には、居住地あるいは行動地域を制限する仕組みがありますので、その方式を準用すれば、居住地あるいは就労地を制限することは簡単にできます。類似の政策は、オーストラリアやカナダで先例があり、無理筋というわけではありません。

l  ただ実務的には、「在留カード」自体に地域制限を明記することができないので、実施する場合は、それらを記した「指定書」を旅券に貼付することになると思われます。しかも、「特定技能」には「業種」の縛りがあるので、「指定書」には、居住地・就労地の制限に加えて、業種の範囲を書き足すことになります。「技能実習」は「転職不可」だったので、分かりにくい「指定書」でも不都合は生じなかったのですが、「特定技能」は「転職可」。入国管理法を熟知しない雇用主が、知らないうちに「資格外活動」に巻き込まれることになるような気がします。
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【Timely Report】Vol.316(2018.12.25)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:受入コストは誰が負担する?」も参考になります。


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l  難民や移民に寛容なことで知られるカナダが、自国以外の国で既に難民申請をした場合、カナダで再申請することを禁止する方針を固めました。米国で受け入れを拒否された難民申請者が国境を越えてカナダ国内に大量に流入していることが背景にあります。保留中の難民申請の数は20万件を超え、審理待ちに平均20カ月かかるのが現状。国境近くの自治体は、申請手続を待つ難民のために古いスタジアムや公民館を住宅施設として再利用していますが、この費用負担を巡って、政府との間に軋轢が発生。カナダのトルドー政権は、一貫して難民を歓迎する姿勢を示してきましたが、秋の総選挙を控えて、難民問題に対して強硬な姿勢に転じ始めたようです。

l  この改正により、カナダ国境の出入国審査官は、他国で既に難民申請を行った人々について、カナダでの再申請を却下できるようになります。米政府の情報収集活動を暴露したCIAの元職員を匿った難民や、家族からの虐待を訴えたサウジアラビア女性、兵役を拒否したシリア男性などを受け入れてきたカナダが反難民に転じるとは思いませんが、今後の動きは要チェックです。
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【Timely Report】Vol.433(2019.6.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  新年早々、「家族の虐待から逃れてきた。帰国すれば殺されるかもしれない」などとSNSを通して助けを求め、タイで保護されていたサウジアラビア人女性が話題になっていました。この女性は、イスラム教を捨てたと話しており、それが事実であれば、サウジアラビアでは死刑で罰せられる罪に当たります。カナダは、国連難民高等弁務官事務所の要請を受けて、この女性を難民として認定しました。カナダのフリーランド外相は「とても勇敢な新しいカナダ人」として迎え入れ、トルドー首相は、「カナダは女性の人権のために立ち上がることの重要性を理解している」と述べました。

l  カナダは、議会が、今後3年で100万人以上の移民を受け入れる計画を発表するなど、移民に対して寛容です。フッセン移民・難民・市民権相は、「我々は歴史を通じて新しく来る人たちを歓迎してきた。そのおかげで、カナダは今のように強く活気のある国へと発展した」と公言しましたが、フッセン氏自身もソマリアからの移民。「オープンマインド」というお国柄を武器にして、米国のIT技術者を招き入れるしたたかさ。日本も見習いたいものです。
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【Timely Report】Vol.333(2019.1.24)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  米インターネット通販大手のアマゾンは、50億ドル(約5500億円)超を投じて、「第2本社」を建設し、最大5万人を雇用する予定です。誘致に計238の都市が名乗りを上げましたが、20都市までに絞られた候補地の中に、米国以外で唯一カナダのトロントが残りました。

l  カナダのトルドー首相は、「カナダではどんな宗教でも人種でも全てのバックグラウンドの人々を歓迎する」と強く主張し、多様性と多文化主義、オープンでフレンドリーなコミュニティーと移民政策を「カナダの強み」としてアピールしました。移民規制の強化に走るトランプ政権とは対照的に、カナダは有能な外国人材の受け入れに積極的で、ITに強い大学や研究所もあります。また、一定の技術力を持つ外国人材に対し、2週間以内に毎年制限なく発行される「就労ビザ(Global Skills Strategy Visa)」も導入しています。

l  移民にオープンだから豊富な人材も獲得が容易だとするトロント市長は、「トロントと同じ程の才能・高スキルに富んだ人材、同等の生活の質、活気、経済力を誇る都市は他にない」と語りました。さて、東京はどうでしょうか。
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【Timely Report】Vol.236(2018.8.30)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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1.       2017年秋、ドイツの総選挙で、反難民を掲げる「ドイツのための選択肢」が第3党に躍進しました。メルケル首相は、境界管理を厳重化し、難民認定のハードルを厳格化しましたが、国民の不満は鎮まりませんでした。オランダでは、3月の下院選で、移民排斥を唱える自由党が第2党の座を確保。フランスでも、5月の大統領選で、反移民で知られる国民戦線の党首が決選投票に進みました。1015日のオーストリア総選挙では、自由党が「国を難民に奪われてはならない」と訴え、第2党を争っていますし、イタリアでも、難民問題を背景に右派政党や新興政党が台頭しています。そんな中、米トランプ政権は、難民受入れの上限を半減させる方針を明らかにしました。その影響もあって、米国の不法移民は、カナダに押し寄せているのですが、カナダの与党は、「避難先としてカナダを当てにするな」と言い始めています。

2.       日本の入管行政は、外国人労働者や移民に厳しいことで知られていますが、上記の諸情勢を見て、入管は「自分たちは間違っていない」と確信を深めているはずです。ビザ許可のハードルが緩むことを期待すべきではありません。
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【Timel
y Report】Vol.36(2017.10.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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