移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:ミャンマー

l  日本政府は、国外に避難する日本大使館のアフガニスタン人スタッフらが日本の在留資格を取得するのを認める方針のようです。対象は、最大で数百人規模になる見通しで、人道的配慮に基づき中長期で滞在できるようにする。ミャンマーに次ぐ「緊急避難措置」が採られることになります。

l  大使館スタッフを残して、大使たちだけが脱出した事情に鑑みれば、当然の措置にも見えますが、個別の判断ではなく、ミャンマーと同様に、地域で判断するという「緊急避難措置」の安普請には危うさを感じます。2020年に日本が認定した難民の数は47人で、6万人超のドイツや2万人のカナダとは比較になりません。670万人超といわれるシリア難民についても、日本は2017年度から4年間で95人のシリア人留学生を認めるにとどまりました。

l  諸先進国と肩を並べて受け入れるのであれば、肚を括って、ドイツやロシアのように、言語・歴史・法律の一定レベルを要請する「外国人労働者基本法」を制定して、受け容れる外国人の要件を明確化する程度の作業は不可欠です。その場凌ぎの浅薄な人道主義は、後顧に憂いを残すだけで終わるでしょう。

Timely ReportVol.8372021.9.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report



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l  8月1日、オリンピックに出場するために、ベラルーシから来日した陸上選手が「投獄されるかもしれない」として、羽田空港で帰国を拒否し、警察の保護を求めました。オーストリアに亡命申請する意向であると伝えられていますが、認められるまでは日本で難民申請する可能性があります。

l  ミャンマーのサッカー選手が軍事政権を批判して難民申請していることはすでに広く知られており、ウガンダの重量挙げ選手が行方不明になって日本での就労を目指すという騒動があったばかり。大会最終日まで1週間を切っているだけに、他国の選手でも同様の動きがないか懸念されるところです。

l  日本の裁判所は、「我が国の在留資格制度は外国人の就労活動に対する規制をその根幹に取り込んで成立している」として、不法就労に対して厳しい態度で臨んできましたが、現在では、観光目的で来日した外国人に対しても「就労活動」を認めてからすでに8ヶ月が経過。「帰国困難ビザ」で就労できると知った技能実習生や留学生は失踪・除籍を気にしなくなりました。その上、この騒ぎです。このままでは、どんどん規律が失われていくことでしょう。


Timely ReportVol.8322021.8.3号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report
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l  6月16日、W杯アジア2次予選に参加するため、日本に滞在していたミャンマー代表のサッカー選手が、クーデターで権力を握った国軍が支配するミャンマーに帰国することを拒否し、日本政府に保護を求めました。6月22日には難民認定を申請。入管は、認定の手続きを迅速に進める方針と言います。

l  この選手に関する認定の可否はともかく、問題はその後。法務大臣が「ミャンマーを救う」と大見得を切った中で、入管にとってもこの流れで難民認定を不許可にすることは難しいと思われますが、万が一、許可になったら、ミャンマーの人たちが怒涛の如く入管に押し寄せることでしょう。すでにカチン族で難民申請をしている人が記事になったりしていますから、自称「難民」が弁護士と一緒に次から次へと難民申請してきます。

l  ミャンマーと言えば、ロヒンギャ問題を避けることができません。100万人とも言われる彼らが日本を目指してきたとき、入管や日本の社会は、彼らを受け容れるだけの覚悟を持っているでしょうか。インドシナ難民ですら累計1.2万人しか受け入れなかった日本にその度量があるとは到底思えません。

Timely ReportVol.8252021.6.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  5月28日、上川法務大臣は、ミャンマー国軍のクーデターによる情勢不安を理由に、日本在留のミャンマー人に対し、「情勢が安定するまでの緊急避難的な対応」として在留延長を認める(就労可)ことを発表しました。当分の間、在留資格の満了時に本人が希望すれば、「特定活動(6ヶ月・就労可)」や「特定活動(特定技能準備・1年)」の切り替えを認めます。情勢が改善しない場合は、「特定活動」の再延長も認める方針のようです。

l  帰国困難を理由に「特定活動(6ヶ月・就労可)」を認め、就労困難を背景に「特定活動(特定技能準備・1年)」を認容した状況下なので、入管からすれば、現状の中での微調整という判断なのかもしれませんが、個人的にはパンドラの箱を開けてしまったのではないかという感があります。

l  上川大臣は「一般市民が死亡、負傷し、デモに参加していない住民への暴力も報告されている」と説明し、難民認定についても迅速に審査を進め、難民認定されない場合でも在留や就労を認めるとしていますが、ミャンマーと類似の国情が発生したとき、同等の扱いができるか否かがいずれ問われます。

【Timely Report】Vol.8162021.6.4号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  10月4日,外務省は、「第三国定住難民」として受け入れたミャンマーからの難民20名に対して,定住支援プログラムを開始しました。「第三国定住」は,「自発的帰還」「第一次庇護国への定住」と並ぶ難民問題の解決策の一つであり、日本が9年間で受け入れたミャンマー難民は194名に達しました。今後は、年間約60名の範囲内で受け入れる予定です。

l  グランディ国連難民高等弁務官は、これに謝意を示しつつも、「まだ向上の余地がある」と指摘し、「他の先進国に比べ、難民認定の基準がかなり厳しい」と指摘。日本の難民認定率は0.25%で、カナダ(56.4%)や米国(35.4%)とは比較にもなりません。認定基準には見直しの余地がありそうです。

l  しかし、より根深いのは、入管のスタンスでしょう。難民として認められなかったスリランカ男性のケースでは、不服として起こした訴訟で不認定を取り消す判決が言い渡されたにもかかわらず、再度の申請において、入管は不認定に。男性は再び提訴して勝訴し、難民認定を勝ち取ったものの、13年もの歳月を費やしました。入管は、司法の判断にも軽々には従わないのです。

【Timely Report】Vol.560(2019.12.25号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:入管は裁判所よりも偉い!」も参考になります。


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