移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:不法

l  8月7日、米国の移民税関捜査局は、ミシシッピ州で一斉摘発を行い、680人の不法移民を拘束しました。拘束された不法移民の子供は親族か他の家族の元に送られることになるため、「家族を離れ離れにし、地域社会を恐怖に陥れている」などと批判が高まり、680人のうち300人が釈放されました。

l  じつは、「不法移民の親子分離」は、日本でも毎日起こっています。入管庁は、「米政府の場合、不法移民の親子は分離されて然るべきという立場を取っているが、日本の場合、子供に配慮した対応を取っており、米国と同様という指摘は当たらない」と語りますが、2018年に認定された難民は、ドイツ56,500人、米国35,000人、フランスが29,000人、カナダ16,800人、イギリスが12,000人に対して、日本は42人にすぎません(申請は10,493人)。

l  東日本入国管理センターでは、被収容者325人のうち94%が半年を超えており、5年超という人も。今年5月から始まったハンガーストライキは、7月下旬に100人を超える規模に広がりました。しかし、移民すら受け付けない日本が、難民を受け入れるのは難しそうです。

【Timely Report】Vol.514(2019.10.22号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「日本の近未来は介護業界に聞け!」も参考になります。

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l  11月18日に、不法就労助長の疑いで人材派遣会社「ソシアリンク」の千葉営業所長ら5人が逮捕された事件は、あっという間に風化しようとしています。実際、「ソシアリンク」で検索しても、出てくるのはNHKの記事だけで、クリックしても「お探しのページは見つかりませんでした」と表示されるだけ。「ソシアリンク」の親会社である「わらべや日洋ホールディングス」に至っては、検索したところで、入管法違反事件の気配すら出てきません。

l  3年前の「ラーメン一蘭」の事件。留学生が週28時間以上働いていたことが問題視され、家宅捜索だけで全メディアが大騒ぎ。時間が超過したのも、除籍・退学なのに「学校が長期休暇中」と嘘をつかれ、会社側のチェックが難しかったという背景がありましたし、会社側の逮捕者も出ていません。

l  一蘭と比べれば、「ソシアリンク」は千倍以上悪質。技能実習で不法在留というのですから、在留カードを確認するだけで防げたはず。確信犯であるとしか思われません。それがこのヌルい扱い。やはりメディアも警察も入管も大企業には甘いのでしょう。これで不法就労がなくなるわけがありません。

【Timely Report】Vol.754(2020.11.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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