移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:不法滞在

l  スイスの不法滞在者は76,000人と推定されています。そのうち13,000人の不法滞在者を抱えるジュネーブ州は、2015年秋、長期不法就労者を合法化するという「パピルス・プロジェクト」を立ち上げました。

l  合法化を申請する要件は、①経済的に自立していることを証明すること、②現在の職をすべて申告すること、③借金が無く、法的手続きを受けていないこと、④ジュネーブに連続して10年以上居住していること(学童がいる場合は5年以上)、⑤基本的なフランス語が話せることであり、決して高いハードルではありません。これまでに、不法就労者1,093人が滞在許可証を受け取り、申請却下や国外退去となったのはたった4人だけといいます。経済担当の高官は「これで経済を浄化することができる」と胸を張りました。

l  201811日時点における日本の不法残留者は66,498人。上記のプロジェクトを開始した時点のスイスより少ない規模です。日本も同じことしろとは言いませんが、大学卒の日本人が従事している業務であれば、「技術・人文知識・国際業務」を認めるくらいの現実的な度量は必要と思われます。
マッターホルン, 高山, ツェルマット, 山, ゴルナーグラート, ヴァレー
【Timely Report】Vol.144(2018.4.18)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「台湾は移民政策に踏み込む!」も参考になります。

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l  7月12日、韓国人の男性と内縁関係にあった日本人の女性が、不法滞在を手助けした罪に問われた裁判で、東京高裁は第一審の有罪判決を取り消し、無罪を言い渡しました。内縁の韓国人男性の在留資格が切れてから2年間、男性を自宅に住ませたことが、「滞在に不可欠な住居や職を提供し、幇助にあたる」として、地裁では罰金10万円の有罪判決とされたのですが、「同居していただけでは罪に問われない」として、逆転無罪を勝ち取ったのです。

l  「不法滞在者を支援することは犯罪か否か」という命題は、世界共通の難問です。フランスでは、密入国してくる移民たちを車で運んだり、宿や食事を提供して支援したりすることを「連帯の罪」と定め、最高5年の懲役または3万ユーロの罰金を科してきました。しかし、その一方で憲法は、「博愛の原則」を定めています。そして、今般、フランスの憲法評議会は、「博愛の原則」に軍配を上げ、「連帯の罪」を失効させました。

l  とはいえ、他国では「連帯の罪」と「博愛の原則」がせめぎ合っている最中。日本では、「博愛の原則」がとりあえず1勝したというところでしょうか。

【Timely Report】Vol.493(2019.9.19号)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
留学ビザは締め上げられる?」も参考になります。

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l  シンガポールでは、「少子高齢化」が社会問題となっています。2015年時点で17.9%(日本33.1%)という60歳以上の人口割合は、2050年には40.4%(日本42.5%)になると予測されています。出生率は1.24(日本1.45)ですからかなり深刻です。東京23区とほぼ同じ面積の中に人口が561万人。外国人を受け入れて成長する(50年・平均+8%)ことを基本方針としており、労働人口(340万人)の3分の1(日本2%)を外国人が占めています。

l  殺人や銃器の発砲、麻薬所持は死刑になり得ますし、不法入国・不法滞在は鞭打ちに処されるなど法律が厳しいため、治安は悪化していないようです。女性の外国人ヘルパーが妊娠したり、工事現場の外国人労働者が怪我して働けなくなったら在留できなくなりますし、外国人労働者を入国させる際には、雇用者が国に保証金を預託し、外国人労働者が行方不明になったら没収するという制度もあります。外国人を「移民」ではなく、「労働力」として受け入れるということは、そういう施策を意味するのですが、日本でできるでしょうか。それとも、「移民」として受け入れるのでしょうか。
シンガポール川, スカイライン, 建物, 水, 金融地区, 超高層ビル
【Timely Report】Vol.223(2018.8.13)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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