移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:不法移民

l  直近の調査結果によれば、アメリカ人の3分の2(67%)は、「アメリカにいる移民の大半が合法的に米国内に留まれるようにする」仕組みを作ることが、国にとって「極めて重要」または「ある程度重要」であると回答しています。不法移民に厳しい見方をしてきた共和党支持、もしくは共和党寄りの回答者の半数近く(48%)も、合法化に賛成。戦争や暴力から逃れてきた難民の受け入れについても、アメリカ人の多くが支持を表明しました(73%)。

l  こうした世論を背景に、移民へのビザ発給条件に医療保険の支払い能力を加えるというトランプ政権が打ち出した新たな移民規制措置に対して、連邦地裁が実施を一時差し止める仮処分命令を出したり、来年の米大統領選での民主党候補指名を争っているサンダース議員が、大統領就任したら、移民の強制送還措置に猶予期間を設定し、入管による摘発を中止すると表明するなど、「移民政策」を巡って、高度なやり取りが繰り広げられています。

l  一方、日本では、在留外国人が急増する中で、正面から「移民政策」を議論することすらなく、「桜を見る会」を巡る不毛なバカ騒ぎ。悲しい限りです。

【Timely Report】Vol.592(2020.2.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:外国人の若者がいなかったら?」も参考になります。

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l  「特定技能」の普及が進みません。マスコミは、試験の遅れや入管の準備を理由に挙げていますが、実態としては、監理団体など「技能実習」の関係者が「特定技能」の導入に大反対していることが背景にあります。

l  ある監理団体は、「ウィンウィンの技能実習に比べ、特定技能はデメリットばかり。①転職が可能なので大都市に人材が集中する、②外国人が集中する大都市の治安が悪化する、③送り出し国が反発するというのが特定技能のデメリットだ。③送り出し国が反発するというのは、優秀な人材は日本に永住して母国に帰国せず、優秀じゃない人材ばかりが母国に帰国することになるからだ」と主張し、「10年後を展望すれば、AIが発展して人余りになるだろう。そうすれば、特定技能で日本に連れてきた外国人は、国民の負担になる。不法移民になって治安を乱すかもしれない」という懸念を表明しています。

l  「出稼ぎオンリーの特定技能は筋が悪い。技能実習は5年まで延びたが、さらに5年から7年にまで延ばすべきだ。それが正しい政策である」と提言している監理団体が、素直に「特定技能」の普及に手を貸すとは思われません。

【Timely Report】Vol.574(2020.1.22号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:登録支援機関は「開店休業」中」も参考になります。

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l  9月25日、ニューヨーク市人権委員会は、「在留資格と国籍に基づく差別の法的取り締まりガイダンス」を発表しました。ニューヨーク市においては、不法移民に対して、雇用主や家主、ビジネスオーナーらが「ICE(移民税関捜査局)に通報する」と脅かしたり、相手を侮辱的に「illegal alien」(不法入国者)と呼んだりすると、市の人権法に違反するとして、最大で2万5,000ドル(約270万円)の罰金が科されることになったのです。

l  単にガイダンスだけの話だと思ってはいけません。クイーンズ区の家主が、家賃を支払わない住人に対して「家賃を払わなければICEに通報する」と脅かしたケースでは、住人が「住宅差別」に当たるとして家主を提訴し、裁判官が家主に対して1万7,000ドル(184万円)の支払いを命じています。

l  あからさまなヘイトスピーチに対してすら明確な罰則規定がない日本では考えられない話ですが、「移民国家」である米国では、「移民に対する差別」は御法度。しかし、「不法移民」に対して、「不法入国者」と呼んだり、「入管に通報するぞ」と言っただけで、200万円の罰金というのは痺れますね。

【Timely Report】Vol.555(2019.12.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:ヘイトスピーチは沈静化する?」も参考になります。


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l  昨年12月、イタリアで、人道的理由による難民の滞在許可を廃止する法律が制定されました。戦争や政治的迫害以外の理由による難民に対して居住許可や身分証明書の発行ができなくなり、多くの難民が不法滞在状態に陥ることになります。この法律に対して、「憲法に謳われている人権を侵害する」と主張して、パレルモ市長が反旗を翻します。ナポリ市長やパルマ市長も同調して、滞在許可を発行し続けます。政府高官は、「不法移民を助けるものはイタリアを憎んでいる」と述べ、法的手段に訴える方針を表明。市長たちは受けて立つ構えです。イタリアでは、昨年秋、リアーチェ村長が、類似の事件で強権的に排斥されており、今後の展開が注目されます。

l  不法移民を助けることは犯罪か否かという問いは、万国共通の難問です。米国では、国境付近の自然保護区に無断で入り、不法入国者のために水と食料を置いて立ち去ったボランティアが有罪になりました。一方、フランスでは、移民を不法入国させる手助けを行い、廃駅にかくまった人の有罪判決が破棄されました。日本では明確に争われたことはないようですが、果たして?

【Timely Report】Vol.396(2019.4.24)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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1.       2017年秋、ドイツの総選挙で、反難民を掲げる「ドイツのための選択肢」が第3党に躍進しました。メルケル首相は、境界管理を厳重化し、難民認定のハードルを厳格化しましたが、国民の不満は鎮まりませんでした。オランダでは、3月の下院選で、移民排斥を唱える自由党が第2党の座を確保。フランスでも、5月の大統領選で、反移民で知られる国民戦線の党首が決選投票に進みました。10月15日のオーストリア総選挙では、自由党が「国を難民に奪われてはならない」と訴え、第2党を争っていますし、イタリアでも、難民問題を背景に右派政党や新興政党が台頭しています。そんな中、米トランプ政権は、難民受入れの上限を半減させる方針を明らかにしました。その影響もあって、米国の不法移民は、カナダに押し寄せているのですが、カナダの与党は、「避難先としてカナダを当てにするな」と言い始めています。

2.       日本の入管行政は、外国人労働者や移民に厳しいことで知られていますが、上記の諸情勢を見て、入管は「自分たちは間違っていない」と確信を深めているはずです。ビザ許可のハードルが緩むことを期待すべきではありません。
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【Timel
y Report】Vol.36(2017.10.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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