移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:偽装留学生

l  留学生受入学校の一部が「禁じ手」を使い始めたようです。今年4月に入学する予定の留学生が来日しなくなったため、背に腹は替えられないということなのでしょう。出席率や成績にイチャモンを付けて卒業させずに留年させたり、就職が決まっていない卒業生(自校および他校)に対し、「試験免除・入学金後払い(あるいは免除)・学費は月払い」という甘言を囁いて、「留学」というビザで在留できる扱いを斡旋しているという噂が流れています。

l  昨春に続いて、今春も新入生ゼロでは、学校経営が成り立ちません。従来は、手に入れた「定員枠」を守りつつ、「留学ビザの枠」を確保するために、無理矢理にでも卒業させていたのが、今年は入学生がいない分「定員枠」が余っているから、卒業させない(あるいは、ビザがほしい外国人を囲い込む)ことによって、多少なりとも入金を維持したいという気持ちは重々わかります。

l  しかし、「教育」という本分や枠組を離れて、学校の都合で「ビザ」を販売するようになると、単なる「ビザ屋」に堕落してしまいます。「偽装留学生」と批判するマスコミたちの餌食になってしまいかねません。熟慮が必要です。

【Timely Report】Vol.8002021.4.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  失踪した技能実習生や偽装留学生・偽装難民を評して、「出稼ぎ目的とはケシカラン」と論じる人もいるのですが、明治元年から20世紀の半ばまでに、日本は100万人を超える「移民」を送り出しました。元々彼らのほとんどは、3~5年働いて故郷に帰ることを目的とした「出稼ぎ」でした。

l  「いまの我々とは関係ない」と言われてしまえば、身も蓋もありませんが、来日している外国人の「出稼ぎ」たちは、当時の「日本人移民」に似た境遇にあります。異国における当時の日系人の苦労を偲んで涙するのであれば、来日している「出稼ぎ」たちの暮らし向きにも手を差し伸べるべきでしょう。

l  日本政府が施行した「移民保護法」(1896年)は、「移民」を「労働ニ従事スルノ目的ヲ以テ外国ニ渡航スル者及其家族ニシテ之ト同行シ、又其所在地ニ渡航スル者」と定義。また、「三、五年の後母国に還る者」を「一時的移民」と分類していましたから、いまの「出稼ぎ」たちは列記とした「移民」です。また、1928年には「国立神戸移民収容所」も開所されました。安倍政権の「移民論議」と比べると、150年前の日本の方が「近代的」に感じます。
難民, 古い, 女性, 肖像画, 泣く, 毛布, 人, 人間, 戦争の犠牲者
【Timely Report】Vol.238(2018.9.3)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  コロナ禍の中で留学生の困窮を報じる記事が増えてきました。相変わらず、留学生を受け入れる学校を「悪者」に仕立て上げて叩くだけの「建設的でない批判」を繰り返すストーリーが少なくありません。「偽装留学生」という言葉で学校を責め立てて、「留学生の味方」の振りをしているのですが、結局は「偽装留学生」である外国人自身を不幸にしていることに気付きません。

l  そんな中、入国制限で、留学生を受け入れている学校の経営は厳しくなっており、前橋国際日本語学校を運営していた綜合プランニングは、40億円を超える負債を抱えたまま、昨年末に破綻しました。留学生60人に授業料や入学金が返還されておらず、半数近くは同校で一度も授業を受けられていないようです。学校を叩いても、結局は、被害を受ける留学生が増えるだけ。

l  「自国で働くより日本に行くほうがチャンスがある」と思えば、実習生であろうが留学生であろうが、手練手管を駆使して来日を目指す人は続きます。「かわいそうだ」と騒いで誰かを叩いても諸問題は解決されません。市場メカニズムの中で持続する仕組みを構築しなければ、事態は改善しないのです。

【Timely Report】Vol.7852021.2.19号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  留学生に関する評論は、実態から懸け離れた主張が多くて辟易します。「グーグル創業者の1人のセルゲイ・ブリン氏やテスラCEOのイーロン・マスク氏は、もともと米国以外の出身で移民です。異才や異能の人が海外からやってきて、世界的なイノベーションの担い手になっています」と説き、留学生を即戦力として活用すべきという意見がある一方で、「偽装留学生たちは大学や専門学校を卒業しても、専門職で使える日本語能力や専門知識を身につけていない」として、単純労働を押し付けていると主張する者もいます。

l  そもそも、日本の大学を卒業しただけで「専門家」や「即戦力」になっている人材がどれくらいいるでしょうか。日本人の有名大学卒だって、入社後すぐに「専門家」や「即戦力」になっている人なんて皆無。経営者も大学には期待していませんし、社内で育てるしかないと諦めています。

l  だから、大学卒には「現場研修」を通じたビジネスマン教育が必要不可欠。その現実を無視した評論は百害あって一利なし。「技術・人文知識・国際業務」で、「現場研修」を認めた入管の方がよっぽど実態をわかっています。

【Timely Report】Vol.738(2020/10/21号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「ついに東京福祉大学に鉄槌が下る!」も参考になります。

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l  6月11日、文科省と入管庁は、3年間で1610人の行方不明者を出した東京福祉大に対して、新たに入学する「学部研究生」への「留学」の在留資格付与を認めない方針を示しました。さらに、各大学に対しては、毎月、所在不明や退学、除籍になった留学生数を文科省に報告することを義務付けます。

l  同省の指導後も改善しない場合は、「在籍管理非適正大学」として法務省に通告され、改善するまでの間、新規に入る留学生への「留学」の在留資格の付与が停止されます。不法残留者が多い大学については、「慎重審査対象校」として審査を厳格化し、3年連続で対象校になった場合は、「留学」の資格付与を停止するほか、私学助成金の減額や不交付などの制裁を科す方針です。

l  当局は、「偽装留学生」狩りを本格化させる号砲を鳴らしました。東京福祉大と類似の状況にある学校は、日本全国に極めて多く存在していますから、各校で「在籍管理」が厳格化されます。本来は許されないパスポートや在留カードの学校保管も広範化することが予想されます。留学生アルバイトの総量は、間違いなく大幅に減っていきます。大津波の襲来です。


【Timely Report】Vol.462(2019.8.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
留学ビザは締め上げられる?」も参考になります。

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