移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:入管行政

l  9月29日、自民党総裁選において、岸田文雄・前政務調査会長が新総裁に選出されました。岸田氏は、10月4日に第100代の総理大臣に就任する見通しです。岸田新総裁は、「年内に数十兆円規模の経済対策を策定することによって、多くの国民の皆さんに、ともにコロナ対策に協力していただける雰囲気をつくっていきたい」と述べ、経済政策については、「新しい資本主義を構築していきたいと思う。今こそ成長と分配の好循環を実現し、できるだけ幅広い国民の所得、給料を引き上げる」と表明しました。

l  残念ながら、移民政策や外国人の受入れあるいは共存に関する言及は、全くありませんし、政調会長であったときも「特定技能の導入」という大掛かりな制度改編だったにもかかわらず、踏み込んだ発言は一切出ませんでした。

l  入管行政において、現在求められているのは、「入国」と「出国」の正常化。ルールに基づいた平常時の在留資格政策に戻ることです。しかし、残念ながら、総裁選でほとんど触れられることがなかったこの課題に、岸田新総裁が早期に踏み込む可能性は、かなり低いと見込むしかないのかもしれません。

Timely ReportVol.8392021.9.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report



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l  W杯予選出場のためミャンマー代表として来日後、帰国を拒否して、622日に難民認定の申請をしたサッカー選手が難民として認定されることが決まったようです。彼個人に対しては、祝意を表したいと思います。

l  しかし、個人的には心配です。というのは、いま日本は「観光客でも就労できる」「帰国できないと言えば在留できる」というユルユルの入管行政になっているからです。今回の迅速な許可を見て、「難民も許可される」という雰囲気が盛り上がる中で、「偽装難民」のブローカーたちが水面下で動き始めました。緊急避難措置が講じられている在留ミャンマー人に対しては、在留資格上の束縛が事実上ほぼなくなったため、ビザを失う恐れがない彼らは自由気儘に振舞っています。いきなり失踪する事例も目立ち始めました。

l  入管行政の正常化は、喫緊の課題です。それなしに、外国人の入国が正常化することはあり得ないと思われます。「観光客でも就労できる」「帰国できないと言えば在留できる」「難民申請も許可される」となれば、このまま入国が正常化したとき、何が起こるかを想像してみてください。恐ろしいです。


Timely ReportVol.8332021.8.12号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  米政府は、中国人留学生向けのビザ発給をさらに厳格化したようです。今年7月、米の学生ビザを獲得した中国人は145人にとどまり、昨年同月の2万超を大きく下回りました。米国の大学などで学ぶ中国人留学生は、2017年12月をピークに少しずつ減り始めています。留学生の減少は、米国がビザ発給を遅らせて、留学生の排除に動いていることが一因です。【p12~p27】

l  5月、米連邦捜査局は中国政府系機関との関係を隠して米政府から研究助成を受けたとして、中国系米国人研究者を逮捕。米国立衛生研究所は70人以上の研究者の助成金の資格取り消しと50人以上を解雇しました。米国政府は5月末、中国軍とつながりのある中国人留学生や研究者の入国を規制する措置をとり、中国人に発給した1000件以上のビザを取り消しました。さらに、最近、ビザを不正に取得した中国軍の女性士官を逮捕・起訴し、技術窃盗の容疑で複数の中国人留学生や研究者を拘束したとも報じられています。

l  日本でも、同様の施策を講じるように求める動きがあります。米中の対立が激化していく中で、わが国の入管行政に影響する可能性も否定できません。

【Timely Report】Vol.728(2020.9.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入国・在留審査要領:コンビニは本当に単純作業?」も参考になります。
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l  公安調査庁から異動し調査や審査を経験した元入管職員は、在留特別許可に関する判断が不透明で、ブラックボックスだと感じたそうです。「法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めた場合に限り、在留特別許可を出す」とあるだけで、どういう場合に許可を出すのかは法律に一切書かれていません。入管のホームページには、在留特別許可にかかるガイドラインはあるけれど、ガイドライン自体を入管が「基準ではない」として守りません。

l  入管行政は入管だけですべてを決められます。胸先三寸で決めるのではなく、基準を明確化すべきだと思う人は少なくありません。入管の判断をチェックする第三者機関がないので、なんらかの理由で入管がビザを更新しないと判断した際には、不服申立の手段が裁判しかないのですが、法律上、裁量が幅広く認められているため、入管が裁判でほとんど勝っています。

l  基準を明確化すると、フリーハンドで裁量を行使できなくなると恐れているのかもしれませんが、基準のない権力は、混沌と混乱を招きかねません。基準を積極的に示すことにより、秩序を形成するのが入管の役割のはずです。

【Timely Report】Vol.8152021.6.2号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  2018年末時点の在留外国人数は273万1093人(前年比+6.6%)となり、過去最多を更新しました。政府は、在留資格「特定技能」の創設による就労拡大の新制度で、5年間で最大約34.5万人の受け入れを想定していますから、5年後には300万人の外国人が日本に住んでいることが予測されます。

l  300万人という規模は、第10位の静岡県(366万人)には届かないものの、茨城県(288万人)を超える水準であり、福井・徳島・高知・島根・鳥取の5県分に匹敵する人口ですから、今後、在留外国人をターゲットにした市場は、十分に魅力的な分野として認識されるでしょうし、さらなる拡大が期待されるだけに、数多くの企業が参入することになると思われます。

l  すでに株式市場では、「特定技能」の好影響を織り込んだ株価が形成されている節があり、在留資格制度や入管行政の実態を無視したお気楽なシナリオが数多く語られていますが、この市場は、入管法の悩ましさに加えて、外国人特有の難しさがあり、「上場企業だったら成功する」というほど楽ではありません。行き過ぎた楽観論に浮かれていると、後で痛い目に遭いそうです。

【Timely Report】Vol.411(2019.5.23号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
アベノミクスには期待できない!」も参考になります。

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