l  2019年4~6月期の実質GDPは、内閣府が官邸と財務省の意向を忖度して、年率1.8%増となりましたが、実態と乖離している感があります。帝国データバンクの景気動向調査結果(7月)では、景気動向指数が8カ月連続で悪化。共同通信社のアンケートでも、国内景気が拡大していると答えた企業は23%(昨夏78%)にとどまり、「緩やかに拡大」と答えた企業が23%(同77%)で、「拡大」と答えた企業は皆無に(同1%)。景気ウオッチャー調査(7月)でも3カ月連続の悪化で、3年3カ月ぶりの低水準に沈みました。

l  足元では、人手不足倒産が急増。7月の全国企業倒産件数は、2年2カ月ぶりに800件を超えました。年間でみると、過去最悪を記録しそうです。そんな中、大企業では中高年のリストラが加速しており、早くも昨年の2倍に到達。「勝ち組」とみられているファーストリテイリングの柳井会長は、「平成の30年間は経済敗戦だ」と嘆き、著名投資家のジム・ロジャーズは、かつてアジアで最も裕福な国だったビルマを例に引いて、「日本はアジア最貧国に転落するかもしれない」と警告。楽観は禁物です。

【Timely Report】Vol.518(2019.10.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:初年度見込みは大幅未達?」も参考になります。

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