移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:出稼ぎ

l  新型コロナウイルスの感染拡大による国際的な送金への影響を世界銀行が調査したところ、2020年の低・中所得国への送金額は去年に比べて19.7%、金額にして1090億ドル(11兆7000億円)も減少する見通しだと言います。これは、これまでに経験したことがないインパクトです。

l  低所得や中所得国への国際的な送金は、外国人労働者の増加とともに10年間で1.5倍以上に増加(2019年は過去最高の5542億ドル)。この送金は途上国において、人々の生活費を支えているほか、貴重な外貨の獲得手段にもなっており、途上国の数多くの家庭が貧困に陥る可能性は否定できません。

l  900万人が諸外国に働きに出ているパキスタンでは、彼らからの送金がGDPの7~8%に達します。人口1億人の1割が海外に出稼ぎに行くフィリピンではGDPの1割を占めます。海外への出稼ぎを重要な外貨の獲得手段と位置付けているベトナムでも、送金減少は経済に悪影響を与えているようです。じつは、来日している外国人の2人に1人は、母国に仕送りをしているという調査もあります。送金の減少が国際経済に与える影響は軽視できません。

【Timely Report】Vol.684(2020.7.1号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:ロボ酒場のレモンサワーは高い?」も参考になります。
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l  失踪した技能実習生や偽装留学生・偽装難民を評して、「出稼ぎ目的とはケシカラン」と論じる人もいるのですが、明治元年から20世紀の半ばまでに、日本は100万人を超える「移民」を送り出しました。元々彼らのほとんどは、3~5年働いて故郷に帰ることを目的とした「出稼ぎ」でした。

l  「いまの我々とは関係ない」と言われてしまえば、身も蓋もありませんが、来日している外国人の「出稼ぎ」たちは、当時の「日本人移民」に似た境遇にあります。異国における当時の日系人の苦労を偲んで涙するのであれば、来日している「出稼ぎ」たちの暮らし向きにも手を差し伸べるべきでしょう。

l  日本政府が施行した「移民保護法」(1896年)は、「移民」を「労働ニ従事スルノ目的ヲ以テ外国ニ渡航スル者及其家族ニシテ之ト同行シ、又其所在地ニ渡航スル者」と定義。また、「三、五年の後母国に還る者」を「一時的移民」と分類していましたから、いまの「出稼ぎ」たちは列記とした「移民」です。また、1928年には「国立神戸移民収容所」も開所されました。安倍政権の「移民論議」と比べると、150年前の日本の方が「近代的」に感じます。
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【Timely Report】Vol.238(2018.9.3)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  11月23日、英国ロンドン近郊でトラックの冷凍コンテナから不法入国を試みた39人のベトナム人の遺体が発見されました。その中のひとりであるファム・ティ・チャ・ミは、技能実習生として日本で3年間働いた後、今年6月に実家に帰ったばかり。しかし弟が購入した新車で事故を起こし、両親が多額の借金を背負ったため、再び出稼ぎに出ることを決めました。さらに2年働くために訪日を希望したのですが、日本で学んだ技能の普及に母国で1年以上努めることが求められたため、やむなく英国行きを選択した模様です。

l  もしも、彼女が再来日するビザが許可されていたならば、多額の費用をかけ、遥かなる英国に不法入国してまで出稼ぎに行く必要はなかったはずです。その意味で、彼女は、実質的に出稼ぎにすぎない「技能実習」を「日本で修得した技術の母国への移転を図るための人的な国際貢献」であると言い張っている嘘っぱちの制度の犠牲になったと言えなくもありません。

l  もうそろそろ、嘘の上に嘘を塗り固めた「技能実習」は、「単純労働ビザ」として仕切り直すか、「特定技能」に統合すべき時期なのではないでしょうか。

【Timely Report】Vol.599(2020.2.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「技能実習:監理団体はビッグビジネスだ!」も参考になります。

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l  ブローカーから「日本に留学すれば月20万~30万円は簡単に稼げる」と唆され、150万~200万円もの借金を抱えて、出稼ぎ目的で来日した「偽装留学生」を含めて、留学生の数は29万1164人(2017年6月時点)になりました。この5年間で増えた留学生のうち、ベトナム、ネパール、パキスタン、ミャンマー4カ国だけで8割を占めており、ごく一部の例外を除いて出稼ぎが目的であるという見方もあります。「偽装留学生」は、授業そっちのけで出稼ぎに励みます。留学生が働く現場は、コンビニや飲食店だけでなく、弁当などの製造工場、宅配便の仕分け、ホテルやビルの掃除、新聞配達など。もはや留学生の労働力なしでは成り立たない職場も多いようです。

l  そうした状況下、不法就労で摘発される留学生が年々増加し、2016年は1010件に上りました(2012年624件)。留学生に認められた法定の労働時間(週28時間以内)を超えて働くケースが大半を占めており、上述した「偽装留学生」がはびこっていることに加え、警察や入管が積極的に摘発を始めたことが背景にあります。「週28時間超」には十分に注意しましょう。
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【Timely Report】Vol.107(2018.2.23)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
専門学校は慎重に選びましょう!」も参考になります。

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l  海外居住者に関する在留資格の認定申請について、「短期滞在」と「永住者」だけを対象外としている入国管理法の建て付けから言えば、「特定技能」についても「可」とするしかないと見られていましたが、日本政府が、アジアを中心とした8カ国で日本語試験を実施するほか、「農業」の特定技能試験(1号)について、ベトナム・中国など海外7カ国で実施するなど、例外扱いではなく、「認定申請可」であることが確認されました。

l  じつは、これ、「技能実習」関係者にとって、かなりのダメージです。「技能実習」の卒業先として、「特定技能」が新設されたと思ったら、「特定技能」が「技能実習」のライバルに。出稼ぎ目的の外国人からすれば、転職の自由がなく労働環境が劣悪な「技能実習」よりは、転職の自由があり日本人と同等の賃金が確保される可能性が高い「特定技能」のほうが魅力的です。

l  しかも、日本政府は「悪質なブローカーの排除」を明言していますから、これまでのような借金塗れになる危険性も減るでしょう。逆に言えば、「技能実習」の既得権益は大きく毀損されます。新しい権益の争奪戦が始まります。
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【Timely Report】Vol.313(2018.12.19)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:受入コストは誰が負担する?」も参考になります。


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