移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:労働者

l  「偽装留学生がかわいそうだ」と指弾するジャーナリストたちから煽られて、入管は「偽装留学生」退治に着手。留学ビザの発給を減少させ、オーバーワークした留学生のビザを取り消し、就労ビザへの変更も厳しくしました。その結果、数多くの留学生が帰国の途についています。ジャパニーズドリームを夢見ていたアジアの若者は来日できず、学費を稼ぐためのアルバイトも困難化。日本にいたいのに日々母国に帰されています。

l  若い労働者の不足に直面した日本は、外国人を受け入れることを決めました。誰がどう考えても、「日本語が話せて、日本の文化に馴染んでおり、日本にいる留学生」の方が、「日本語が不自由で、日本の文化を知らず、海外にいる特定技能の候補者」よりも良いに決まっています。それなのに、留学生を母国に追い返し、来るはずの特定技能外国人すら計画通りに呼び込めない。

l  人権派を気取るジャーナリストたちは、解決策もなく、関係者を罵倒しただけでした。そして、救うは対象の留学生たちを不幸にしてしまいました。入管もジャーナリストも「木を見て森を見ない」から大きく間違えるのです。

【Timely Report】Vol.602(2020.3.2号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:「偽装留学生」を煽った結果は?」も参考になります。

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l  「特定技能」の外国人は、制度開始から2年経過した今年3月末時点で22,567人にとどまっていて、当初の見込み(最大47,000人)を大きく下回っています。このうち、国内で「技能実習」や「留学」などから変更した人は17,299人と、全体のおよそ77%を占めた一方、海外で「特定技能」の試験に合格するなどして、新たに入国した人は5,268人にとどまっています。

l  国籍別では、ベトナムが14,147人で6割を超えました。分野別では、飲食料品製造業8,104人(35.9%)、農業3,359人(14.9%)、建設2,116人(9.4%)、産業機械製造業1,937人(8.6%)、介護1,705人(7.6%)となっています。

l  5月28日、自民党の外国人労働者等特別委員会は、「在留外国人の支援強化を柱とする政府への提言(案)」について議論しました。提言(案)には、「コンビニ、スーパーマーケット、運輸、産業廃棄物処理の各分野で、特定技能外国人の参入、技能実習制度の対象職種への追加を含めて検討」と書かれています。「技能実習」と同様に、「特定技能」でも政治的な利権と絡んで多種多様な業界にどんどん拡大していくと思われます。

Timely ReportVol.8172021.6.7号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  日本で働く外国人労働者の賃金は、国内全体の平均よりも3割弱低いことが分かりました。フルタイムで働く外国人の賃金は、残業代等を除いた月額の平均で223,100円。国内全体平均が307,700円ですから、84,600円下回っています。この主因は、外国人労働者の勤続年数が平均3.1年に過ぎず、一般労働者の12.4年との差が大きいとされていますが、実態としては、「技能実習」の影響が大きいと見るべきでしょう。「技能実習」の賃金は156,900円にすぎず、一般労働者全体の半分ほどにとどまっているからです。

l  その一方、「技術・人文知識・国際業務」などを含む「専門的・技術的分野」の賃金は月額324,300円で、日本人を含む正社員全体(325,400円)とほぼ同水準であり、該当する外国人の勤続年数が2.7年にすぎず、正社員全体が13年であることに鑑みれば、外国人の方が賃金水準は高いとさえ言えます。

l  外国人の賃金水準を押し下げているのは、外国人差別ではなく、「技能実習」という制度的な要因が主なのですから、「技能実習」ではなく、「技術・人文知識・国際業務」による外国人雇用を推進していくことが望まれます。

【Timely Report】Vol.659(2020.5.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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l  建設労働者にIDカードを保有させ、就労データを管理する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の運用が始まりました。外国人にはCCUSの加入が義務付けられましたが、CCUSは、外国人のためのものではありません。元々は、技能を「見える化」することによって、技能に応じた賃金を保障することを通じて、建設労働者全体の処遇を改善するための仕掛けでした。

l  処遇が改善されない原因の一つは、日給ベースで計算し、稼働日数によって月給が変動する「日給月給制」。「特定技能」の外国人は、日本人と同等以上で「月給制」が義務付けられているので、「特定技能」を突破口にして、日本人労働者の処遇を改善したいという国交省の深謀遠慮が窺えます。その一方、業界が猛反発したため、CCUSでは現場入場の有無はわかりますが、入退場の時刻が記録されないため、残業代が計算できない仕組みになっています。

l  マスコミでは、「可哀そうな外国人」の話ばかりが掲載されますが、その背後には「可哀そうな日本人」がいるのかもしれません。外国人の問題として語られることの多くは、じつは日本人の問題でもあるのです。

【Timely Report】Vol.435(2019.6.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
留学ビザは締め上げられる?」も参考になります。

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l  相変わらず、技能実習に対する批判が根強い。支援者や弁護士たちは、被害者である技能実習生をマスコミの前に突き出し、可哀そうな事例を挙げては、「技能実習」という制度を批判し、すぐに撤廃すべきだと叫ぶ。

l  しかし不思議なのは、批判者たちが「技能実習機構」を活用しようとしないという点だ。「技能実習機構」は、技能実習法によって、「技能実習生からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う業務」や「技能実習生が引き続き技能実習を行うことができるよう、技能実習生からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うとともに、実習実施者、監理団体その他関係者に対する必要な指導及び助言を行う業務」を担うことが定められている。事実関係の調査や報告徴求や検査を行うこともできる。

l  さらに言えば、「技能実習機構」には「評議員会」という組織があり、「労働者を代表する評議員」も指名されている。技能実習機構や評議員に対して、被害者の救済を陳情し、彼らが陳情に対応しなかったことを批判するのが先だ。マスコミへのアピールを繰り返しても、被害者の救済にはつながらない。

【Timely Report】Vol.7492020.11.16号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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