移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:収容

l  改正入管法案に関する国会審議が大詰めに入っています。リベラル派のマスコミ攻勢に加えて、収容施設における死亡事例における不手際から、与党が修正協議に応じましたが、与野党間の溝は深く、結局、物別れで終わったようです。後は、与党がいつ寄り切るかが焦点となってきました。

l  この流れの変化を受け、守勢に回っていた入管も、産経新聞の記事を通じて反撃に出ました。国外退去処分を受けた後、「仮放免」で一時的に収容を解かれたものの、逃亡して手配中の外国人は、2014年末においては96人でしたが、毎年30~100人程度ずつ増加し、2019年末には362人となり、昨年末には420人に上ったと言うのです。そのうち40人は、入管法違反以外の刑事罰で懲役・禁錮1年超の実刑判決を受けていたのですが、収監前に逃亡しています。過去6年間で約4.4倍というのは、無視できない数値でしょう。

l  仮放免中の外国人は昨年末で2,440人。時に理不尽さが際立つ入管の肩を持つわけではありませんが、数多くの「偽装難民」が紛れ込んでいることは事実。「長期収容者=難民=善人」とするリベラル派の主張は弱いと思われます。

【Timely Report】Vol.8102021.5.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  昨年9月、国連の「恣意的拘禁作業部会」が、国外退去処分を受けた外国人2人が裁判等による審査・救済の機会がないまま入管施設に収容されたとし、国連人権規約等に違反するとして、日本政府に対して意見書を送付。これに対して、入管は、3月27日、「司法上、行政上の審査・救済の機会が提供されていた」と反論し、「事実誤認」だとして異議を申し立てました。

l  入管の反論に対して、弁護士や人権団体は一斉に批判を展開。ちょうど入管法改正が国会に上程されていることもあって、ヒートアップしています。入管側の反論が紋切型で、国際基準から見て不誠実な対応であることは否定できませんが、難民申請者の実態を無視して、「入管叩き」に走っても、世論は冷ややかに傍観するだけで、バックアップしてくれないような気がします。

l  ただし、改正入管法が導入する「監理措置」における就労の是非については、「観光ビザ」ですら就労を認めている現状の運用との比較で、入管は、整合的で説得的な主張が展開できない可能性大。大上段に構えた総論ではなく、論破できる重要な論点一つに絞って議論したほうが良いのでは。

【Timely Report】Vol.8032021.4.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  スイスには不法就労者が76,000人いるとされ、そのうち13,000人がジュネーブ州に住んでいると言われています。そのジュネーブでは、2015年に地元当局が始めた不法就労者合法化事業「パピルス・プロジェクト」に基づき、不法就労者3,500人に就労許可を発行しました。1,757人が審査中で、却下されたのはわずか7人でした。反対する政党も一部にありますが、現在のところは、概ね肯定的に受け止められているようです。

l  一方、日本では、退去強制手続中の外国人に関する長期収容が問題になっています。人権侵害や自殺問題などもあり、国会やマスコミでも厳しく追及されているところですが、奇しくも新天皇即位に係る恩赦が検討されています。

l  この際、オーバーワークで摘発された収容者や仮放免中の外国人については、未納付の租税公課を重課して支払うことを条件に、就労資格を付与するという「恩赦」を実施したらいかがでしょうか。ちなみに天皇陛下は、昨年12月に「各国から我が国に来て仕事をする人々を、社会の一員として私ども皆が温かく迎えることができるよう願っています」と語られておられました。

【Timely Report】Vol.398(2019.4.26)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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l  外国人を収容する施設に係る苦情や批判が絶えません。医療体制の不備や病人の放置、収容者の自殺、収容期間の長期化など、課題は山積しています。長崎県の大村入国管理センターでは6月末にハンガーストライキ中の収容者が死亡しました。痛みがあると訴えても、入管職員から「まだ生きているじゃないか」と言われたり、過去には、収容者の脈が止まっているのを職員が確認していながら、『詐病』と判断したケースさえあったといいます。

l  入管法に違反した外国人の収容や退去強制は、行政手続なので、裁判所を介することなく、入管だけの判断で実行することが可能であり、担当者のさじ加減一つで外国人の人生が左右されるのが現実。「入管の裁量が大きすぎる。行政の公平性はどこにあるのか」と批判する元入管職員の証言もあります。

l  入管は「手続を遵守しており、何ら問題はない」と強弁しますが、言葉の端々に、「外国人を人間と思っていない」という驕りが見え隠れ。安倍首相は、「世界から尊敬される日本、世界中から優秀な人材が集まる日本を創り上げていく」と述べていますが、その道程はまだまだ遠そうです。

【Timely Report】Vol.488(2019.9.11号)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  6月に大村入国管理センターで長期収容中のナイジェリア人男性が餓死してから、各地の入管収容施設でハンストが拡大。ハンストで衰弱した収容者に対しては、仮放免した場合、2週間後に再収容するという運用が為されているため、それがさらに関係者の怒りを呼んでおり、与野党の国会議員への陳情も行われています。しかし、陳情内容は、「かわいそうだから仮釈放すべき」という心情的な訴えが多く、「予防拘禁(再犯の恐れを理由に拘禁すること)は人権侵害だ」という法理論による武装も「全員釈放すべき」という結論になりますから、入管として受け入れられる提案ではありません。

l  入管の運用を本気で変えたいのなら、受け入れられるギリギリの提案をすべきです。入管法以外に重い法令違反を犯していない収容者(オーバーワークや短期間のオーバーステイ等)は仮放免すべきという案なら入管も検討可能でしょう。あるいは韓国のように、超過滞在期間に応じた罰則金を支払えばよいという割り切りでもよいかもしれません。入管法にも仮放免の際に保証金を預託させる制度があるのですぐに対応可能です。

【Timely Report】Vol.593(2020.2.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:収容問題はフェアに報道すべき!」も参考になります。


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