移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:司令塔

l  41日、法務省の外局として「出入国在留管理庁」が発足しました。外国人労働者の受け入れ拡大を推進する中で、司令塔的な役割が期待されています。山下法務大臣は開庁式で、「共生政策はわが国の将来像にも影響を与える重要なもの」と激励し、記者会見した佐々木長官は、「新しい時代に外国人との共生という、新しい社会をつくっていく」と意気込みを語りました。

l  ところが法令を見ますと、入管法第1条は、「本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする」から、「本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする」に改定されただけですし、法務省設置法第28条には、「出入国在留管理庁は、出入国及び外国人の在留の公正な管理を図ることを任務とする」としか書かれていません。つまり、「出入国管理在留庁」の役割は、「管理」であって、「共生」などではないのです。リップサービスに騙されてはいけません。

【Timely Report】Vol.401(2019.5.9)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  「特定技能」を導入してから半年を経過しても、取得者は732人に過ぎず、初年度想定の3%未満。特定技能で受け入れるのは9カ国ですが、先方の法令や手続が定まったのは、カンボジア、インドネシア、ネパールのみ。10月までに技能試験が開催されたのは6カ国で、日本語試験が開催されたのは4カ国だけ。技能試験が実施されていない業種が多いため、日本企業は人を受け入れたくても、受け入れられない状況が続いています。「特定技能」に期待を掛けた関係者の間には、「騙された感」が漂い始めました。

l  法務省は、諸外国との調整や試験の遅延を原因に挙げていますが、昨年7月の閣議決定で、「法務省は、外国人の受入れ環境整備に関する企画及び立案並びに総合調整を行う」と決まったのだから、司令塔としての辣腕を振るえばよいだけです。入管の現場には未だに外国人嫌いが目立ちますから、本音では受け入れたくない法務省が責任を転嫁しているだけとも感じられます。

l  監理団体が「技能実習」の長所と「特定技能」の短所を喧伝し続ける中で、「わざわざ特定技能にしなくても」と考える国や企業が着実に増えています。

【Timely Report】Vol.595(2020.2.20号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:入管は受け入れたくないのです?」も参考になります。

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