移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:在留資格

l  国際金融都市を推進するため、高度金融人材を呼び込むことを目的に、相続税の負担や家事使用人の帯同を緩和するようです。外国人でも、日本での滞在が過去15年以内で通算10年を超えると、海外資産にも相続税(最高税率55%)がかかるため、「Never Die In Japan」などと揶揄されてきました。金融分野であるか否かを問わず、一定の在留資格を持つ人材を対象に、海外資産を課税対象から外す方向で検討されています。

l  悪い話ではありませんが、主要プレーヤーとなるべき日本の銀行や証券を観ると、人員削減、店舗閉鎖、営業時間の短縮、窓口業務の縮小、税公金の収納業務終了など、新規業務に打って出るどころか、現状維持も難しそうです。

l  これは、外国人材の受入全般に当てはまることですが、在留資格等の制度変更が巧く機能するためには、外国人材の受け入れ主体が前向きで創意工夫に溢れており、既存の慣行にこだわることなく、人材の活用に積極的でないと、ウィンウィンにはなりません。その前提を充たした上で、在留資格を実務と実態に合わせる必要があります。国際金融都市はその前提が欠けています。

【Timely Report】Vol.7642020.12.23号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
ブローカーには絶対に近寄るな!」も参考になります。

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l  在留資格の申請手続においては、企業等による代理申請しかオンライン申請が認められていません。そこで法務省は、2021年度中に個人がパソコンやスマートフォンから申請できるようにするようです。「より便利にするとともに、受付窓口の混雑を和らげ、新型コロナウイルスの感染拡大も防ぐ」というのですが、本当にユーザーのためになる改革なのかは大いに疑問です。

l  確かに、いまは外国人が在留資格を変えたり更新したりする場合、申請行政書士等に依頼しない場合は入管に出向く必要があり、最悪の場合、申請待ちに数時間かかるときもあることは事実です。しかし、入管申請に関する最大の不満は、待ち時間ではありません。申請後の審査状況が分からないことや、審査官の恣意的な理由で不許可になることがあるということです。

l  オンラインで申請できるようになったところで、その後の申請状況がわからず、待たされるだけ待たされてから納得できない理由で不許可になるというのでは改善されたとは言えません。すでに認められている企業等によるオンライン申請が数%しかないという事実が現実を雄弁に物語っています。

【Timely Report】Vol.7912021.3.10号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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1.       2016年の入国管理法改正では、在留資格を取り消す条件が改定されたため、留学生のアルバイトに関して、極めて厳しい内容が含まれています。これまで在留資格が取り消されるのは、「留学」の場合、「学校に通う」という「主たる活動」が3ヶ月を超えて行われないときに限られていたのですが、改正後の入国管理法では、「学校に通う」という「主たる活動」を行っていないときに、アルバイトという「資格外活動」を行っただけでOUTになるのです。極端な話をすれば、学校に在籍していても、授業に出ずにアルバイトばかりしていれば、法律上は、在留資格が取り消され、強制退去にもなり得ます。

2.       雇用主からすれば、「留学生アルバイトのおかげで、いまの日本のサービスが成り立っているのだから、そこまで目くじら立てなくてもよいのに」という話だと思いますが、入管や警察の頭の中では、「留学生アルバイト=搾取、日本語学校=諸悪の根源」という構図が出来上がっています。入管や警察の主張を鵜呑みにして書かれた記事を読めば、如何に彼らが日本語学校や留学生アルバイトを悪者にしたいと思っているかが分かります。
シェフ, 競争, 料理, 前菜, 仕事, キッチン, 制服, 準備, グルメ
【Timely Report】Vol.20(2017.9.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
私は『知らなかった』は有罪です!」も参考になります。

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l  8月13日、外国人を不法に働かせたなどとして、人材派遣会社の社長と元営業部長と行政書士が入管法違反(不法就労助長・虚偽申請)の疑いで逮捕されたことが明らかになりました。容疑者らは自社で社員として雇ったネパール人男性1人を埼玉県の食品工場に派遣し、資格外活動をさせた疑いがあります。行政書士は、派遣会社で翻訳・通訳業務をするとした虚偽の書類を東京入管に提出し、在留期間の更新を申請していました。昨年10月の時点で、同社に在籍していた外国人社員68人が資格外活動をしていた模様です。

l  肝を冷やしている派遣会社の経営者は少なくないはず。というのも、自社で翻訳・通訳をさせると嘘をついて、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得させ、外国人を工場に派遣する「製造業派遣のスキーム」は、日本中の至る所で展開されています。見落とすことが難しいくらいです。

l  とはいえ、今回摘発された派遣会社は2018年創業の若い会社。羽振りは良かったようですが、法令を長年無視し続けている大手とは比べるべくもない小者です。結局、製造業派遣の大手は、今回もお咎めなしなのでしょうか。

Timely ReportVol.8342021.8.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report



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l   菅政権は、日本に世界の金融ハブをつくる「国際金融都市構想」を掲げています。一国二制度が事実上崩れた香港から金融人材が流出しているほか、米国も年内に外国人技術者向けのビザの発給要件を厳しくする予定であり、優秀な外国人が新たな就労国を探す可能性が高まっていると分析しています。

l  そのための政策として、学歴・職歴・年収等を勘案して認定する「高度専門職」の外国人については、相続税の減免制度を設けて、保有する海外資産を課税対象外にするほか、役員報酬を損金算入できる対象を広げ、金融庁に海外事業者の英語対応を担う専門組織を設置するといいます。

l  しかし、「国際金融都市」のメインプレイヤーになるはずの我が国の金融業界を見ると、統合と寡占化とリストラと料金引き上げとサービス劣化にしか興味がないように見えます。本気で「国際金融都市」にするつもりがあるのなら、金融業界自体をもっとイノベーションに充ちた活気溢れる業界に変貌させないと無理なような気がします。小手先で在留資格や税制や英語インフラを整えたところで、本物の「国際金融都市」を築けるはずがありません。


【Timely Report】Vol.746(2020.11.9号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:入管は受け入れたくないのです?」も参考になります。

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