移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:外国人

1.       東京入管の審査が厳格化しています。専門学校における専攻と業務の関連を極めて厳しく追及し、申請者本人に対して電話で質問を浴びせるなど、2年前であれば許可された事例が不許可のオンパレード。実際、6月における東京入管の統計を見ると、名目許可率が9割を割り込み、強制退去の件数が前年比約4割増になっているなど、偽装難民を一掃するという方針の余波が、通常の在留資格変更の判断に影響しているように見えます。

2.       しかし、地方に目を転じると、外国人のおかげで人口が増えている、あるいは、人口減少が緩和されているという「ウェルカムなムード」が圧倒的。外国人が増えなければやっていけない市町村が激増しているわけです。つまり、地方市町村からすれば、不許可を連発する入管は敵。この「入管vs地方市町村」の戦いは、これから本番を迎えることになりそうです。

3.       あまり話題になっていませんが、少子高齢化は、日本だけの問題ではなく、アジア全体の問題。こんな対応をしていると、本当に来日してほしいときに、アジアの人々にそっぽを向かれてしまうかもしれません。
パスポート, ドキュメント, 旅行, 出入国管理, 国際, 観光, ビザ, Id
【Timely Report】Vol.25(2017.9.17)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  珍しくないことではありますが、「帰国困難」に関する個々の入国審査官の裁量にバラツキが出ています。「本国への帰国が困難である場合」や「帰国できない事情が継続している場合」には、「特定活動(週28時間以内の就労可・6ヶ月)」という在留資格が認められているのですが、「帰国困難である」や「帰国できない事情」に関する解釈が区々なのです。

l  このため、同じ母国であるにもかかわらず、ある外国人は「帰国できない事情が継続しているとは認められない」として当該在留資格が認められなかったのに、他の外国人では「本国への帰国が困難である」として即座に認められたりしています。もはやロシアン・ルーレット状態と言ってよいでしょう。

l  あまり期待できないとは思いますが、もし入管が混乱を避けたいと思っているのであれば、航空便の運航状況や帰国人数などで、ある程度明確な基準を示し、2~3ヶ月程度の猶予期間を設けた上で、「特定活動(週28時間以内の就労可・6ヶ月)」の廃止を秩序立てて進めていくべきです。いきなり2週間~1ヶ月の「帰国準備ビザ」になる人が急増すれば、大混乱は必至です。


【Timely Report】Vol.8062021.4.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  日本の雇用制度は、新卒一括採用・年功序列・終身雇用がセットになっており、1つでも欠けるとうまく回らなくなります。雇用制度の見直しに手を付けると、最終的には日本型雇用慣行そのもののが、解体につながっていくでしょう。日本型雇用制度はポストを増やせる成長期でなければ維持が難しいにもかかわらず、バブル崩壊後も従前の人事戦略を続けてきた日本企業は、中高年社員で過剰な雇用を抱えながらも、若年層で人手不足に陥っています。

l  これまでリストラを実施するのは業績が悪化した企業というのが定番でしたが、業績絶好調であるにもかかわらず、中高齢社員に関する大規模な早期退職を実施する先が出てきました。同時に、若手社員に高額の報酬を提示しつつ、年功序列を瓦解させる動きも浮上。今後は、即戦力の外国人を採用するためにも、実力主義で報酬を支払うことが求められます。

l  マクロ的な有効求人倍率だけに気を取られ、単純に「人手不足=好景気」という軽薄な認識をしていると、大きく見誤るでしょう。いま起きているのは、中高齢社員を切り、若手と外国人の採用を競い合う「雇用革命」なのです。

【Timely Report】Vol.587(2020.2.10号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:「日本型雇用」は崩壊する?」も参考になります。

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l  入管は、昨年5月より、「特定活動(就労可・6ヶ月)」を臨時的・特例的に認め、昨年12月からは観光客に対してすら「就労」を認めてきましたが、本年5月中に、これらの許可は停止される蓋然性が高いと思われます。

l  安易に「就労」を認めている現状は、「就労の可否」を基盤に据えた在留資格制度の正当性を毀損しています。「帰国困難であること=就労可」という論理を是認できない入管はすぐにでも正常化したいと思っているでしょうし、外国人の出国人数は、昨年5月から2.9倍(昨年12月)になっているなど、「帰国が困難である」という前提も崩れつつあります。しかも、東京オリンピックが開催されれば、9万人のアスリートや関係者が来日しますが、彼らが「帰国できない」ということはあり得ないため、「帰国困難」という前提は、国家の威信を賭けても絶対に解消しなければなりません。

l  昨年中、「特定活動(就労可・6ヶ月)」の審査は2~3日で完了していましたが、最近は2週間を超えるようになってきています。臨時的・例外的に認められてきた特別措置が廃止されるのは時間の問題と言ってよいでしょう。

【Timely Report】Vol.8042021.4.19号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  日本で働く外国人労働者の賃金は、国内全体の平均よりも3割弱低いことが分かりました。フルタイムで働く外国人の賃金は、残業代等を除いた月額の平均で223,100円。国内全体平均が307,700円ですから、84,600円下回っています。この主因は、外国人労働者の勤続年数が平均3.1年に過ぎず、一般労働者の12.4年との差が大きいとされていますが、実態としては、「技能実習」の影響が大きいと見るべきでしょう。「技能実習」の賃金は156,900円にすぎず、一般労働者全体の半分ほどにとどまっているからです。

l  その一方、「技術・人文知識・国際業務」などを含む「専門的・技術的分野」の賃金は月額324,300円で、日本人を含む正社員全体(325,400円)とほぼ同水準であり、該当する外国人の勤続年数が2.7年にすぎず、正社員全体が13年であることに鑑みれば、外国人の方が賃金水準は高いとさえ言えます。

l  外国人の賃金水準を押し下げているのは、外国人差別ではなく、「技能実習」という制度的な要因が主なのですから、「技能実習」ではなく、「技術・人文知識・国際業務」による外国人雇用を推進していくことが望まれます。

【Timely Report】Vol.659(2020.5.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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