移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:大企業

l  11月18日に、不法就労助長の疑いで人材派遣会社「ソシアリンク」の千葉営業所長ら5人が逮捕された事件は、あっという間に風化しようとしています。実際、「ソシアリンク」で検索しても、出てくるのはNHKの記事だけで、クリックしても「お探しのページは見つかりませんでした」と表示されるだけ。「ソシアリンク」の親会社である「わらべや日洋ホールディングス」に至っては、検索したところで、入管法違反事件の気配すら出てきません。

l  3年前の「ラーメン一蘭」の事件。留学生が週28時間以上働いていたことが問題視され、家宅捜索だけで全メディアが大騒ぎ。時間が超過したのも、除籍・退学なのに「学校が長期休暇中」と嘘をつかれ、会社側のチェックが難しかったという背景がありましたし、会社側の逮捕者も出ていません。

l  一蘭と比べれば、「ソシアリンク」は千倍以上悪質。技能実習で不法在留というのですから、在留カードを確認するだけで防げたはず。確信犯であるとしか思われません。それがこのヌルい扱い。やはりメディアも警察も入管も大企業には甘いのでしょう。これで不法就労がなくなるわけがありません。

【Timely Report】Vol.754(2020.11.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  3月9日、不法残留していたベトナム人男性4人を自動車部品製造会社に派遣していた業者が、入管法違反(不法就労助長)容疑で逮捕されました。またしても製造業派遣です。派遣業者は、「働く資格があると思っていた」として容疑を否認していますが、知りながら派遣したのか、在留カードを確認しなかったのか、偽造在留カードで騙されたのか、がポイントになります。

l  問題は、派遣先の自動車部品製造会社です。リスクが自分に降りかからないように、在留カードはわざと確認していないでしょうし、事情聴取しても「派遣会社に任せていた。不法残留とは知らなかった」とシラを切るのでしょうが、入国管理法第73条の2は、「事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者」は不法就労助長罪に該当することを定めていますし、「知らないことを理由として、同項の規定による処罰を免れることができない」と明記しています。昨年、北海道では、派遣先の建設業者が逮捕されました。

l  「派遣先なら大丈夫」「技能実習なら指導どまり」と高を括って、白昼堂々大手を振って、法令違反を行う大企業を放っておいてよいのでしょうか?

【Timely Report】Vol.367(2019.3.14)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
製造業派遣で資格外活動!!」も参考になります。

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