移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:学校

1.       2016年の入国管理法改正では、在留資格を取り消す条件が改定されたため、留学生のアルバイトに関して、極めて厳しい内容が含まれています。これまで在留資格が取り消されるのは、「留学」の場合、「学校に通う」という「主たる活動」が3ヶ月を超えて行われないときに限られていたのですが、改正後の入国管理法では、「学校に通う」という「主たる活動」を行っていないときに、アルバイトという「資格外活動」を行っただけでOUTになるのです。極端な話をすれば、学校に在籍していても、授業に出ずにアルバイトばかりしていれば、法律上は、在留資格が取り消され、強制退去にもなり得ます。

2.       雇用主からすれば、「留学生アルバイトのおかげで、いまの日本のサービスが成り立っているのだから、そこまで目くじら立てなくてもよいのに」という話だと思いますが、入管や警察の頭の中では、「留学生アルバイト=搾取、日本語学校=諸悪の根源」という構図が出来上がっています。入管や警察の主張を鵜呑みにして書かれた記事を読めば、如何に彼らが日本語学校や留学生アルバイトを悪者にしたいと思っているかが分かります。
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【Timely Report】Vol.20(2017.9.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
私は『知らなかった』は有罪です!」も参考になります。

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l  「特定技能」vs「技能実習」の戦いは、「技能実習」の側が有利に試合を進め、「特定技能」で人手不足が解消した企業が皆無の中で、むしろ「技能実習」で人員確保を図る先が増えています。また、「特定技能」の推進と「偽装留学生問題」の煽りで、留学生アルバイトが減っただけでなく、「技術・人文知識・国際業務」の正社員化が厳格化されて、多くの企業が苦しんでいます。

l  そんな状況下、「偽装留学生問題」を煽ったジャーナリストが、「最近は留学ビザの更新が不許可となるケースが相次いでいる。借金を抱えて母国へ戻れば、彼らの人生は台無しになってしまう。政府には、留学生が在籍先の学校から直接、資格の申請をできるよう配慮してもらいたい」と提言しました。

l  後先を考えずに、「偽装留学生問題」を煽るだけ煽って、帰りたくないのに母国に追い返したり、日本に来たいのに来日できないという形で、極めて数多くの留学生やアジアの若者たちを不幸な境遇に追い込んだのは自分なのに、恥じることなく「上から目線」で提言できるのがジャーナリストの凄み。「偽装留学生問題」を煽る前に提言しておけばよかったものを。

【Timely Report】Vol.620(2020.3.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「入管行政:入管もジャーナリストも間違えた?」も参考になります。
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l  コロナ禍の中で留学生の困窮を報じる記事が増えてきました。相変わらず、留学生を受け入れる学校を「悪者」に仕立て上げて叩くだけの「建設的でない批判」を繰り返すストーリーが少なくありません。「偽装留学生」という言葉で学校を責め立てて、「留学生の味方」の振りをしているのですが、結局は「偽装留学生」である外国人自身を不幸にしていることに気付きません。

l  そんな中、入国制限で、留学生を受け入れている学校の経営は厳しくなっており、前橋国際日本語学校を運営していた綜合プランニングは、40億円を超える負債を抱えたまま、昨年末に破綻しました。留学生60人に授業料や入学金が返還されておらず、半数近くは同校で一度も授業を受けられていないようです。学校を叩いても、結局は、被害を受ける留学生が増えるだけ。

l  「自国で働くより日本に行くほうがチャンスがある」と思えば、実習生であろうが留学生であろうが、手練手管を駆使して来日を目指す人は続きます。「かわいそうだ」と騒いで誰かを叩いても諸問題は解決されません。市場メカニズムの中で持続する仕組みを構築しなければ、事態は改善しないのです。

【Timely Report】Vol.7852021.2.19号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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外国人の新規入国が10月から全世界を対象に再開される見込みです。在留カードの対象となる3ヶ月以上在留する人が主な対象で、1日1000人程度を上限とし、入国後14日間の待機を要請します。観光客の解禁は見送られたものの、留学生の入国は全面的に再開される見込みです。入学生ゼロの惨状に苦しめられてきた学校関係者は胸を撫で下ろしたに違いありません。

無論、良いことばかりではありません。「入国」が正常化していけば、「出国」も正常化に向かうからです。それは、①在留期限の3ヶ月自動延長(7月末で停止)、②6ヶ月の短期滞在付与や、③積極的なアルバイト容認(資格外活動許可)という入管の大盤振る舞いが終わるということを意味します。やや甘めに振れていた在留資格審査も、従前のように厳しくなっていくでしょう。

問題は、その潮流の変化に気付かない在留外国人たち。上記①~③が永遠に続くと信じて、束の間のモラトリアムを満喫している向きが少なくありません。入管は、入管行政の正常化に向けて、その移行を円滑に進めるために、在留外国人に向けたアナウンスを丁寧に行うべきだと思います。

【Timely Report】Vol.730(2020.10.2号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入国・在留審査要領:コンビニは本当に単純作業?」も参考になります。
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l  東京福祉大の一件が最後の一押しとなって、政府は「偽装留学生」退治に舵を切りました。「偽装留学生」を叩き続けてきたジャーナリストたちは溜飲を下げるでしょうが、それで、現状は改善されるのでしょうか。

l  人手不足の中で、無定見の「留学生30万人計画」を推進した結果、企業が留学生に目を付け、留学生もアルバイトに活路を見出す中、出稼ぎ留学生が急増。企業は人手を得て、留学生は生活費と学費を得るというウィンウィンの関係でした。無論、一部には、可哀そうな留学生もいましたが、その割合を客観的に検証することなく、「偽装留学生」叩きに転じたため、これからは、留学生アルバイトに依存してきた数多くの企業が悲鳴を上げ、留学生たちも生活に困り、ほとんどの学校は厳しい淘汰の渦に巻き込まれるでしょう。

l  政府は「特定技能で来ればいい」「特定技能で雇えばいい」と言うのでしょうが、「日本語ができて、日本の文化に慣れ親しんだ留学生」を追い出して、わざわざ「日本語がわからず、日本の文化も知らない外国人」を迎え入れようとする無理筋の政策は、別の大問題をいずれ発生させるに違いありません。

【Timely Report】Vol.551(2019.12.12号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:特定技能のために留学を切る!」も参考になります。


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