移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:強制退去

l  11月29日、ペルーから不正入国した両親の下で、日本で生まれ育った子どもたちを強制退去とした処分に関する判決が下りました。子供たちはすでに高校生(3年と1年)。父親は1990年代に他人名義のパスポートでペルーから来日し、2人は日本で生まれました。しかし、父親が2011年に入管法違反で逮捕され、一家4人は2012年に強制退去を命じられます。2013年に在留特別許可を求めて提訴しましたが敗訴が確定。2016年にまず父親が強制送還されています。子どもたちは、仮放免の状態で、日本の学校に通学。2017年に改めて在留特別許可を求めて提訴しましたが、判決は、子どもたちが日本で育ったのは最初の強制退去処分に従わずに不法残留が継続した結果に過ぎず、入管における裁量権の逸脱はないと結論づけました。

l  トランプ政権の下で、その存続が議論の対象にはなっていますが、米国にはDACAという制度があり、16歳未満で両親に連れて来られた子どもたちに在留資格を認めています。入管の裁量を透明化するためにも、まずは、こういうケースから具体的な基準を策定する議論を始めるべきです。

【Timely Report】Vol.603(2020.3.3号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:日本版 DACA を導入せよ!」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
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1.       東京入管の審査が厳格化しています。専門学校における専攻と業務の関連を極めて厳しく追及し、申請者本人に対して電話で質問を浴びせるなど、2年前であれば許可された事例が不許可のオンパレード。実際、6月における東京入管の統計を見ると、名目許可率が9割を割り込み、強制退去の件数が前年比約4割増になっているなど、偽装難民を一掃するという方針の余波が、通常の在留資格変更の判断に影響しているように見えます。

2.       しかし、地方に目を転じると、外国人のおかげで人口が増えている、あるいは、人口減少が緩和されているという「ウェルカムなムード」が圧倒的。外国人が増えなければやっていけない市町村が激増しているわけです。つまり、地方市町村からすれば、不許可を連発する入管は敵。この「入管vs地方市町村」の戦いは、これから本番を迎えることになりそうです。

3.       あまり話題になっていませんが、少子高齢化は、日本だけの問題ではなく、アジア全体の問題。こんな対応をしていると、本当に来日してほしいときに、アジアの人々にそっぽを向かれてしまうかもしれません。
パスポート, ドキュメント, 旅行, 出入国管理, 国際, 観光, ビザ, Id
【Timely Report】Vol.25(2017.9.17)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
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  11月29日、ペルーから不正入国した両親の下で、日本で生まれ育った子どもたちを強制退去とした処分に関する判決が下りました。子供たちはすでに高校生(3年と1年)。父親は1990年代に他人名義のパスポートでペルーから来日し、2人は日本で生まれました。しかし、父親が2011年に入管法違反で逮捕され、一家4人は2012年に強制退去を命じられます。2013年に在留特別許可を求めて提訴しましたが敗訴が確定。2016年にまず父親が強制送還されています。子どもたちは、仮放免の状態で、日本の学校に通学。2017年に改めて在留特別許可を求めて提訴しましたが、判決は、子どもたちが日本で育ったのは最初の強制退去処分に従わずに不法残留が継続した結果に過ぎず、入管における裁量権の逸脱はないと結論づけました。

l  トランプ政権の下で、その存続が議論の対象にはなっていますが、米国にはDACAという制度があり、16歳未満で両親に連れて来られた子どもたちに在留資格を認めています。入管の裁量を透明化するためにも、まずは、こういうケースから具体的な基準を策定する議論を始めるべきです。

【Timely Report】Vol.603(2020.3.3号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:日本版 DACA を導入せよ!」も参考になります。

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l  2007年8月、難民認定を求めて入管を訴え、2011年3月に勝訴が確定したスリランカ人男性が、改めて難民申請したところ、再度不認定になったため、2015年8月に2回目の訴訟を起こしました。この男性は、少数民族のタミル人。政府軍との内戦で、義兄や知人らが殺されただけでなく、政府から反政府武装勢力に協力しているのではないかと疑われたため、2006年秋にやむなく出国。兄や妻・次女は、他国で難民認定されています。結局、東京地裁による7月5日の判決においても、彼が再び勝訴しました。

l  恐るべきは、入管の図太い神経。大阪地裁は7年前に「生命・身体に対する恐怖を抱く客観的事情があった」として難民にあたると認定し、「母国への送還は、入管法の根幹にかかる重大な過誤」として強制退去処分も取り消しました。控訴せず判決を確定させておきながら、「男性が迫害を受ける具体的、客観的危険性があるとは認められない」という理由で、判決が確定した年の年末に難民不認定を決定するという厚顔無恥。要するに、「裁判所が何を言おうが入管行政には関係ない」という「入管王国思想」があるわけです。
ハンマー, 水平, 裁判所, 正義, 右, 法律, 判例法, 句, ジュラ
【Timely Report】Vol.203(2018.7.13)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
入管は不法就労を憎む!」も参考になります。

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