移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:技能実習生

l  横浜市の行政書士事務所が、雇用した30代のフィリピン人女性のパスポート(旅券)を預かる契約を結び、その返還を拒んでいます。女性は「パスポートがなく、母国に帰ることも転職活動もできない」と訴えています。外国人の旅券預かりは、技能実習生に対しては法律で禁じられているものの、実習生以外については、厚生労働省が「旅券を保管しないようにする」と指針を出しているだけで、罰則などの強制力はありません。別の外国人もパスポート返還などを求めたようですが、事務所側は団体交渉に応じず、神奈川県労働委員会は9月に、団交の拒否を不当労働行為と認定しました。

l  これまで、パスポートや在留カードの預かりは、技能実習の実習先や日本語学校において頻繁に見られた行為でしたが、在留資格の申請を本業とする行政書士事務所が「パスポートを事務所が預かり、使用の際は書面による申請や許可が必要」「管理方法や保管期限は事務所が決定」とする契約を社員と締結するというのは尋常ではありません。退職した女性の退職を認めず、パスポートの返還にも応じないというのは、異常と言わざるを得ないでしょう。

【Timely Report】Vol.580(2020.1.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:在留カードは預かってよい?」も参考になります。

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l  6月24日、NHKが、ドキュメンタリー番組において、今治タオルの縫製工場で技能実習生たちが低賃金かつ劣悪な労働環境で働かされている様子を報じたところ、大反響となりました。番組終了後には、テレビに映り込んだ工場の建物をネットで特定する人が現れ、「森清タオル・オルネット」が問題の工場を運営しているとの誤った情報が広がり、誹謗中傷が殺到。NHKが否定コメントを出すという事態にまで発展しました。

l  NHKの番組制作者には、技能実習制度のヒドイ実態を世の中に伝え、世論を喚起し、制度改善につなげるという高邁な意図があったのでしょう。確かに技能実習制度には大きな問題があり、改善すべきであることは明らかです。

l  ところが、8月18日、そのNHKが、可哀そうな技能実習生に対して、受信料を集金に行ったところ、トラブルになったという事件が報じられました。集金人に対して、消火器を噴射した実習生に非があることは明らかですが、日本語が理解できない実習生に対して、「NHKを視聴しているはずだから、受信料を支払え」と自宅に押し掛けるというのはいかがなものでしょうか。

【Timely Report】Vol.524(2019.11.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:初年度見込みは大幅未達?」も参考になります。

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l  9月6日、入管庁は、配電盤等を作る「電気機器組み立て」の技能習得のため働いている実習生に、新幹線の窓枠を作る作業等をさせたとして、日立に対し改善命令を出しました。「資格外活動違反」ではなく、「計画外作業指示」という解釈にして減刑した感じです。そもそも技能実習制度は、「技能実習は国際貢献だ」(技能実習法第1条)という真っ赤な嘘を土台にして、「修得等をさせる技能等が、技能実習生の本国において修得等が困難なものであること」(技能実習法第9条第1号)という大嘘までついて、しかも、「同一の作業の反復のみによって修得等できるものではないこと」(技能実習法施行規則第10条第2項第1号イ)という空想までトッピングした筋悪制度。

l  日立は、今回、その「真っ赤な嘘」と「大嘘」と「空想」で創り上げた大きな枠組すら大きく逸脱してしまいました。その日立に対してすら、改善命令程度なのなら、留学生アルバイトを週28時間超働かせてしまったラーメン一蘭に対しても、「資格外活動違反」ではなく「時間外作業指示」と解釈して減刑し、警察から「厳重注意」すればよかっただけなのでは・・・。

【Timely Report】Vol.541(2019.11.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:日立だったら送検されない?」も参考になります。


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l  当局による芋蔓式捜査が威力を発揮しています。2018年7月3日、外国人技能実習生を受け入れる監理団体幹部による不法就労斡旋事件で、ネパール人夫婦を幹部に紹介したとして、千葉県市川市のネパール人派遣社員が入国管理法違反(不法就労斡旋)の容疑で逮捕されました。「技能」の夫と「家族滞在」の妻を監理団体に紹介し、毎月、監理団体から1人あたり月5000円の報酬を受け取っていたほか、夫婦からも8万円の謝礼を受領していました。

l  この事件は、2017年11月、不法就労で逮捕されたタイ人男女3人が切っ掛け。タイ人が就労していた食品加工会社を調べると、不法就労に関与していた人材派遣会社が浮上。その人材派遣会社の役員が、外国人技能実習生を受け入れる監理団体を兼務していたことから、2018年4月、資格外活動の許可を受けていない外国人を食品加工会社に斡旋したとして、監理団体の代表理事と事業室長を摘発。その後、このネパール人ブローカーに辿り着いたわけです。

l  「ウチには関係ない」と高を括っていたら、ひょんなことから巻き込まれてしまいます。「不法就労」からは、明確に距離を置きましょう。
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【Timely Report】Vol.206(2018.7.19)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「芋蔓式捜査は有効で迅速!」も参考になります。

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l  在留資格「特定技能」を新設すると、外国人労働者が大勢訪れるという想定で議論されがちですが、本当にそうでしょうか。既に数多くの日本企業では、技能実習生の労働に頼る構図ができあがっていますが、「技能実習」の評判が素晴らしいかと言うと決してそうではありません。日本で働いていた中国人の技能実習生たちは自国の経済発展とともに急減していきました。

l  それに代わって増えたのが、ベトナム人です。2012年におけるベトナム人の出稼ぎ先を見ると、日本は台湾・マレーシア・韓国に次ぐ第4位に過ぎませんでしたが、2016年には台湾(68,244人)に次ぐ第2位(39,938人)にまで浮上しました。しかし、台湾とはまだまだ差があり、統計には表れてこない中国への違法な出稼ぎも決して少なくありません。

l  年間4000人を呼び込む予定だった日系4世ビザは、現状2人に過ぎません。過去の技能実習生を呼び戻すために2015年4月に開始した「外国人建設就労者受入事業」も、3年半かけて、ようやく4000人台に乗っただけです。上から目線で外国人材を呼ぼうと思っても決してうまくはいかないのです。
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【Timely Report】Vol.283(2018.11.6)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
観光頼みには限界あり!」も参考になります。

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