移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:日本企業

l  「日本において、移民の社会的統合が緩やかに進みつつある」と主張する研究者がいます。移民(=在留外国人)の社会的統合を検証する場合、最も重なのは、労働市場における統合であり、移民労働者がホスト社会の労働市場において正当に評価されているか否かが重要として、まず、専門職に就く場合、移民は日本人よりも高い確率で専門職に就いていると指摘します。

l  その一方、管理職や事務職に就く場合、海外で取得した学歴や就労経験は、日本で取得されたものに比べて低い評価しか受けませんが、日本人と比べて年齢上昇による昇進確率の差が有意に低いわけでもないと主張します。つまり、日本企業に入ると、最終的な地位の差はあるものの、移民も日本人も関係なく、似たようなペースで昇進すると結論付けています。

l  「日本の労働市場が閉鎖的であるというイメージは極めて漠然としたものであって、スキルや職業といった観点から見ていくと、部分的に社会的統合が進んでいる部分も見られる」と説くのですが、移民に専門職が多いのは、在留資格の建付けに因る部分も大きいので、割り引いて考えるべきでしょう。

【Timely Report】Vol.605(2020.3.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:「移民基本法」を議論すべきだ!」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  東京商工リサーチの調査によれば、「人手不足」を感じている日本企業は約7割に達し、外国人を「雇用したい」企業は5割を超えているようです。現在雇用している企業は約3割で、雇用を検討しているのは1割超なのですが、その対象はというと「技能実習」が35.2%で、「日系人・永住者・日本人の配偶者等」が22.7%。「技術・人文知識・国際業務」などは11.6%にすぎません。業種別でみると、農・林・漁・鉱業で「技能実習生」が8割超で突出し、建設業64.9%、製造業52.3%と圧倒的な存在感を示しています。

l  過半数(55.9%)の企業が「日本語能力」を課題・障壁と思っていながら、外国人に対する「日本語研修」を行っている先は26.6%にとどまっており、「受け入れ体制が整っていない」と認める先も35.7%。在留資格・社会保障等の「手続きの煩雑さ」を挙げる向きも34.4%に上ります。

l  新在留資格「特定技能」がスタートするまであと3ヶ月を切りました。年末に公表された省令(条文ではなく概要だけ)の中身を見ても、机上の空論が先行している感が否めません。地に足の着いた実務論が求められています。
雇用, 募集, キャリア, ビジネス, 人間, レンタル, 仕事, 従業員
【Timely Report】Vol.326(2019.1.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「台湾は移民政策に踏み込む!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

l  「ダイバーシティ」とは、多様な人材を巧みにマネジメントすることを意味します。しかし日本企業の場合、強固な「おじさん社会」が形成されているので、「ダイバーシティ=女性活用」という趣旨で語られる場合が少なくありません。そんな日本でもすでに4割近くが外国人と仕事をしており、外国人と関わる機会が今後増えると予測している人が7割もいます。外国人と一緒に働くことについては賛否相半ばしているようですが、IT系のベンチャーでは、社員の過半数が外国人という日本企業も出てきました。

l  こうなると、「以心伝心的コミュニケーション」は通用しません。異なる文化を持つ社員をマネジメントする手腕が問われます。大事なメールを読まない、理解していないのに「分かりました」という、会議の議論を理解しなくても平気、ビザが出た途端に会社に来なくなる、母国に2ヶ月帰国したいと言い出す、「ここでずっと頑張ります」と言った矢先に辞めてしまうという嫌な思いを数多く体験するでしょう。きれいごとでは片付かない世界が待っています。「ダイバーシティ=女性活用」だった時代が懐かしくなるかも。
アート, 罫線, 少年, 子, クロマチック, 協力, 国, お父さん, 娘
【Timely Report】Vol.166(2018.5.23)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
大坂なおみと二重国籍問題」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  会社数も社員数も増大しないのに、オフィスビルがどんどん建っていきます。住民が急増するわけでもないのに、シェアハウスが増築されています。2017年に東京23区で完成したオフィスビルの床面積は11万坪。2018年中には26万坪が市場に出てきます。さらに2020年には31万坪が供給されるというから凄い。じつは、日本人人口の減少よりも怖いのが日本企業数の減少。1980年代に530万社を超えていた日本企業の数は380万社を割り込み、ピークから▲30%前後。それに対し、日本人人口は2006年1月(1億2625万人)のピークから▲1.2%。生産年齢人口もピークから▲12.9%にすぎません。人口減少や一人当たり床面積の減少に鑑みると供給過剰に陥る公算大です。

l  外国人旅行客で活況と見られていたホテル業界も、民泊の大開放で供給過剰が懸念されるとなると、これらの箱物に対する投資や融資は、将来不良債権化するかもしれません。そんな矢先、シェアハウス投資問題が表面化しました。1000人超の投資家が破産しかねない大惨事。人口と企業の減少を軽視して、箱物造りに精を出しているとこうなります。
航空会社, アーキテクチャ, 建物, 市, フライト, ジェット, 飛行機, 空
【Timely Report】Vol.120(2018.3.14)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
外国人なしに日本は成り立つ?」も参考になります。


  外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  日本企業は、採用において、特殊技能ではなく、学力・自己管理能力・協調性を重視し、新卒者を好みます。これは、「会社が新卒社員を研修して一人前に育てていく」という方針に基づくものですが、「自分で何とかする」という中国人のキャリア形成の考え方とは真逆です。その一方、日本企業は、「苦労して育成した人材が辞めたらどうしよう」と常に懸念しています。一人前に育てる方針は「会社に命を捧げる覚悟」とまでは言いませんが、一定の「忠誠心」を前提にしています。ところが、「中国では会社に命を捧げるという考えはなく、少しでも給料が良ければすぐに転職する」のが現実。

l  日本企業では、忠誠心のない社員は昇格させずに、最下層の仕事をさせるので給料はなかなか上がりません。そして中国人は給料が上がらないと、すぐに転職してしまうのですが、日本企業はそれを見て、「研修しなくて正解だった」と胸を撫で下ろします。中国人から見ると、日本企業は出世が難しく給料が上がらない。でも、日本企業から見ると、中国人は一人前になる前にすぐに辞めてしまう存在なのです。本当に悩ましい問題です。
女の子, 学生, アジア, メガネ, お友達と, 美しい, 幸せ, 人
【Timely Report】Vol.89(2018.1.29)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

↑このページのトップヘ