移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

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l  日本においてトランプ米大統領は「悪役」です。トランプ氏の支持者はほとんどテレビに出てきませんし、ポジティブに評価する専門家にもお目にかかりません。流されてくるニュースはネガティブな内容ばかり。ところが、直近の世論調査によると、トランプ大統領の支持率は45%と就任以来最高になったと言います。マスコミ情報を鵜呑みにするのは危険です。

l  「米キニピアック大による世論調査」に関する75日の報道を例に取りましょう。まずは、時事通信。「半数が『トランプ氏は人種差別主義』移民政策に厳しい目」という見出しを掲げ、「米国民の49%がトランプ大統領を『人種差別主義者』だと答え、そう思わないとする47%を上回った。中米からの不法入国者に対する厳しい取り締まりや、イスラム圏一部諸国からの入国制限を進めるトランプ氏に、厳しい目を向ける国民が多いことを示した。トランプ氏の移民政策に対する支持率は39%で、不支持の58%を大きく下回った。親子が引き離されて収容された問題への対処では、60%がトランプ氏の政策を支持しないと回答した。国境で親から引き離された子供について表す言葉を挙げてもらったところ、『悲しい』『恐ろしい』『悪い』『間違っている』など否定的感想が上位に並んだ」と報じました。トランプ氏はボコボコです。

l  その一方、共同通信は、「トランプ氏の移民政策、世論半々『誠実』『差別』」と総括した上で、「メキシコ国境を越え不法入国した移民親子を分離収容するなどのトランプ米政権の移民政策に関し、トランプ大統領の動機は『国境管理のための誠実な関心』からと考える人が50%、『人種差別的信条』が理由との回答が44%で、ほぼ半々の結果になった。党派別では、与党の共和党支持者の90%が『誠実』、野党の民主党支持者の80%が『人種差別』と答え、分断色が鮮明に。無党派層は『誠実』48%対『人種差別』45%と拮抗した」と指摘しています。どうも、こちらのほうが真実に近いようです。

l  要するに、共和党支持者はトランプ大統領を支持するけれども、民主党支持者は支持しないという至極当たり前の結果が出ただけ。マスコミでは、トランプ氏の移民政策を批判して「自由の女神」に登った女性などが話題になりがちですが、事実を厳密に抽出しないと判断を間違えます。移民問題は感情論に流されやすい事案です。メディアリテラシーを高めることが肝要です。
痴呆, 警告, トランプ, ドナルド ・ トランプ, アルツハイマー, 老人性
【Timely Report】Vol.212(2018.7.27)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「トランプ大統領は二枚舌か?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

l  直近の調査結果によれば、アメリカ人の3分の2(67%)は、「アメリカにいる移民の大半が合法的に米国内に留まれるようにする」仕組みを作ることが、国にとって「極めて重要」または「ある程度重要」であると回答しています。不法移民に厳しい見方をしてきた共和党支持、もしくは共和党寄りの回答者の半数近く(48%)も、合法化に賛成。戦争や暴力から逃れてきた難民の受け入れについても、アメリカ人の多くが支持を表明しました(73%)。

l  こうした世論を背景に、移民へのビザ発給条件に医療保険の支払い能力を加えるというトランプ政権が打ち出した新たな移民規制措置に対して、連邦地裁が実施を一時差し止める仮処分命令を出したり、来年の米大統領選での民主党候補指名を争っているサンダース議員が、大統領就任したら、移民の強制送還措置に猶予期間を設定し、入管による摘発を中止すると表明するなど、「移民政策」を巡って、高度なやり取りが繰り広げられています。

l  一方、日本では、在留外国人が急増する中で、正面から「移民政策」を議論することすらなく、「桜を見る会」を巡る不毛なバカ騒ぎ。悲しい限りです。

【Timely Report】Vol.592(2020.2.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:外国人の若者がいなかったら?」も参考になります。

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l  ガバメント・シャットダウン(政府閉鎖)―― 予算が成立せず、歳出の根拠が失われた場合に政府機関を閉鎖する措置のことを言います。この「政府閉鎖」が、先月、米国で発生しました。移民政策を巡る与野党協議が不調に終わったことが原因です。争点となったのは不法移民への対応。トランプ大統領は昨年9月、子どもの時に親に連れられて米国に来た不法移民の若者を強制退去にしない救済制度「DACA」を廃止する方針を表明したのですが、民主党は救済策の維持で合意できない限り、つなぎ予算案の採決に応じないと主張。トランプ政権や共和党は反発し、政府閉鎖に陥ったというのです。

l  今回の政府閉鎖は3日未満であり、199596年(均衡財政絡み:27日間)や2013年(医療保険改革絡み:16日間)と比べると極めて短期間であるほか、閉鎖されるのは国立公園などが中心で、軍や病院など国民の生命財産に関わる機能については閉鎖しないことになってはいるものの、ショッキングなイベントであったことは間違いありません。その契機が、入管政策(=移民政策)だったことについては記憶にとどめておくべきです。
痴呆, 警告, トランプ, ドナルド ・ トランプ, アルツハイマー, 老人性
【Timely Report】Vol.324(2019.1.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「トランプ大統領は二枚舌か?」も参考になります。

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