移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:法務省

l  日立製作所が技能実習適正化法に違反していた問題で、監督機関の外国人技能実習機構が、日立を最も重い処分の「技能実習計画の認定取り消し」にするよう所管省庁に報告していたことが発覚しました。最終的には、昨年9月に、「認定取り消し」よりも軽い「改善命令」という処分で終わったのですが、当局による「日立への忖度」が立証された形です。

l  日立の事件は、実習生40人に対して、配電盤の組立等を実習させる計画だったにもかかわらず、鉄道車両の窓枠取り付け等の単純作業をさせたというもの。本来なら、資格外活動で逮捕されてもおかしくない事案です。百歩譲っても、他社の類似事件では、実習生を5年間受け入れられなくなる「認定取り消し」になっていたので、同等の処分が為されるべきでした。だから、当時から、「入管は日立に甘すぎる」という批判が寄せられていたのです。

l  ラーメン一蘭の事件では、週28時間を超えた外国人アルバイトが1200人の中で10人いただけで、福岡本社までガサ入れされ、マスコミに晒し者にされて、罰金刑を課されました。どう考えても、入管は日立に甘すぎます。

【Timely Report】Vol.670(2020.6.10号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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l  41日、法務省の外局として「出入国在留管理庁」が発足しました。外国人労働者の受け入れ拡大を推進する中で、司令塔的な役割が期待されています。山下法務大臣は開庁式で、「共生政策はわが国の将来像にも影響を与える重要なもの」と激励し、記者会見した佐々木長官は、「新しい時代に外国人との共生という、新しい社会をつくっていく」と意気込みを語りました。

l  ところが法令を見ますと、入管法第1条は、「本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする」から、「本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする」に改定されただけですし、法務省設置法第28条には、「出入国在留管理庁は、出入国及び外国人の在留の公正な管理を図ることを任務とする」としか書かれていません。つまり、「出入国管理在留庁」の役割は、「管理」であって、「共生」などではないのです。リップサービスに騙されてはいけません。

【Timely Report】Vol.401(2019.5.9)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  「特定技能」を導入してから半年を経過しても、取得者は732人に過ぎず、初年度想定の3%未満。特定技能で受け入れるのは9カ国ですが、先方の法令や手続が定まったのは、カンボジア、インドネシア、ネパールのみ。10月までに技能試験が開催されたのは6カ国で、日本語試験が開催されたのは4カ国だけ。技能試験が実施されていない業種が多いため、日本企業は人を受け入れたくても、受け入れられない状況が続いています。「特定技能」に期待を掛けた関係者の間には、「騙された感」が漂い始めました。

l  法務省は、諸外国との調整や試験の遅延を原因に挙げていますが、昨年7月の閣議決定で、「法務省は、外国人の受入れ環境整備に関する企画及び立案並びに総合調整を行う」と決まったのだから、司令塔としての辣腕を振るえばよいだけです。入管の現場には未だに外国人嫌いが目立ちますから、本音では受け入れたくない法務省が責任を転嫁しているだけとも感じられます。

l  監理団体が「技能実習」の長所と「特定技能」の短所を喧伝し続ける中で、「わざわざ特定技能にしなくても」と考える国や企業が着実に増えています。

【Timely Report】Vol.595(2020.2.20号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:入管は受け入れたくないのです?」も参考になります。

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l  入管庁は、日本で暮らす外国人が持つ在留カードの偽造をスマートフォンで簡単に見破れる専用アプリを開発します。そのアプリがあれば、カードに内蔵されたICチップのデータを読み取って、カード表面に記載された氏名や在留資格と一致するかどうかを瞬時にチェックできるようになります。

l  カードを傾けると絵柄の色が変わるとか、文字の白黒が反転するとか、暗い場所で強い光を当てると文字が透けるなどの見分け方はあるのですが、実務上瞬時に判別するのはかなり微妙です。しかも、偽造技術が高度化して、法務省HPでのIDチェックをパスしたり、ホログラム加工が精巧に模されるなど、素人が見破ることはどんどん困難になっていたため、抜本的な対策が待たれていました。これまでのところ、どんなに精巧な偽造カードでも、ICチップにカードと同じデータが内蔵されたケースはなかったようです。

l  偽造カード所持や行使による検挙件数は、2018年は620件と前年の1.6倍となり、2019年も大幅増だとみられています。2020年中の導入を目指す入管庁の画期的な試みに対して、惜しみない拍手を送りたいと思います。

【Timely Report】Vol.635(2020.4.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管行政:「偽装留学生」を煽った結果は?」も参考になります。
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l  1月30日、入管庁は、「特定技能」の受験資格を拡大すると発表しました。新聞報道によれば、原則、中長期滞在者等に限っていたものを、初めて来日した3カ月以内の短期滞在者でも試験を受けられるようにするといいます。

l  ところが、法務省が公表した「試験の適正な実施を確保するための分野横断的な方針」を見てビックリ。というのは、従来は、①中長期在留者でなく,かつ,過去に本邦に中長期在留者として在留した経験がない方、②退学・除籍留学生、③失踪した技能実習生、④「特定活動(難民申請)」の在留資格を有する方、⑤技能実習等,当該活動を実施するに当たっての計画の作成が求められる在留資格で現に在留中の方については、国内試験の受験資格が認められていませんでしたが、4月1日以降は、在留資格があれば、①~③に該当する場合でも、国内受験が可能になるからです。

l  すなわち、「技能実習」で実習中の人は受験不可です(⑤に相当)が、実習先から失踪すると受験可になると読めます(③に相当)。実習先から失踪した後、国内試験を受けて「特定技能」への変更に挑戦する動きが出てくるかも。

【Timely Report】Vol.624(2020.4.2号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「特定技能:留学生を「特定技能」にシフトする?」も参考になります。
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