移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:観光ビザ

l  2020年代半ばに開業が予定されているIR(統合型リゾート)を巡り、開発に向けた動きが本格化しています。地方自治体からの申請受付が1月から始まるほか、手続を定める省令案も公表されました。大阪が一歩リードする中で、北海道が誘致を見送るなど、今後の成り行きが注目されています。

l  IR自身の成否を疑問視する向きもありますが、より気になるのは、政府が舵取りする観光戦略が「箱物行政」化しつつあることです。実際、菅官房長官は、「世界レベルの高級ホテルを50カ所新設する」「長期滞在が楽しめるスノーリゾートを全国10か所整備する」等とぶち上げています。

l  「箱物行政」とは、庁舎・学校・公民館・博物館・テーマパークなどの無駄な公共施設の「建設」に重点を置く政策を意味します。施設や建造物の整備そのものが目的になり、大失敗した公共工事が日本全国に溢れました。元々は、コストのかからない観光ビザの緩和等から始まった観光戦略が、クルーズ港の整備を経て、本格的に「箱物」にシフトしてきた感があります。日本は、再び「箱物行政」の失敗を繰り返してしまうのでしょうか。

【Timely Report】Vol.601(2020.2.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:消費税増税で景気が死ぬ?」も参考になります。

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l  世の中は不景気になり、深刻な失業問題が浮上しつつありますが、技能実習生が来日しなくなった農業は、今でも深刻な人手不足に直面し続けています。

l  佐賀県農産課が2020年11~12月に実施した調査では、「労働力の確保に困っている」と答えた農家が45%。「今後雇用を考えている、増やす考えがある」としたのは64%でした。このまま入国禁止措置が続けば、死活問題になってきます。AIとかIT化とかロボティクスとかスマート農業などという机上の空論はいくらでも語れますが、農産物の完全輸入化を許容するというのであればともかくとして、現時点において「技能実習生がいない農業」を描けない以上、何らかの打開策を考えなければ、日本の農業は死ぬでしょう。

l  この際思い切って、技能実習生や留学生が農業で就労する場合に限り、現在の「特定活動(特定技能準備・1年)」を、対象業種と活動地域を限定した上で、来日禁止措置が解除されるまでの間に限り、「特定活動(特定技能準備・5年)」の発行を認めてはどうでしょうか。少なくとも、観光ビザの外国人に就労ビザを認める特例措置よりは筋が良いと思います。

【Timely Report】Vol.7812021.2.10号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  12月1日より、入管庁は、観光ビザの外国人でも働くことを認める(週28時間以内)措置を実施しました。「日本は観光ビザでも働ける」という噂が、SNSを通じて海外で広がっており、技能実習や留学と違って、コストのかからない出稼ぎ方法として、ブローカーが暗躍する可能性大です。

l  いまは観光客の入国を禁じているからよいものの、いずれ大問題になります。というのは、観光客の入国開始と今回の特別措置の終了を同時に行うことが実務上難しいからです。出国困難な外国人が一部でも在留している限り、特別措置自体を終了することは難しい。しかも、国毎に対応が異なり得るほか、入国可能日と出国可能日が違う場合もあります。ここで生じる時間差を狙った「観光ビザでの出稼ぎ外国人」の大量入国を招来する可能性があるのです。

l  一方、出国困難として観光ビザでの就労すら認めているのに、正規の在留外国人が在留資格の変更申請をした場合に不許可にする事例があり、整合性に欠けます。観光ビザでの就労許可を終了するまでは、原則として在留資格の変更を認める代わりに3~6ヶ月とし、更新時に確認する運用にすべきです。

【Timely Report】Vol.7602020.12.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  日本政府は、来夏の東京オリンピックを絶対に開催するという前提の下で、各種の政策を断行しています。入国管理や在留資格も例外ではありません。

l  政府は、新型コロナウイルス対策をとりながら大規模な外国人客を受け入れるため、ウイルスの陰性証明書を提出して、専用アプリを利用すれば入国後2週間の待機は不要とし、制限なく行動できるようにする方針です。外国客には接触確認アプリCOCOAとビザ等の情報を管理するアプリを組み合わせて使ってもらうよう求めます。もっとも、訪問した場所の履歴は本人の意思で各自の端末内に残す方式に留まるため、感染防止効果は限定的です。

l  ここで問題となるのが在留資格。入管は、観光ビザであっても、就労を認める運用を決定しましたが、来春までこの運用が続いた場合、オリンピックの最中にビザ期限が到来した不法滞在者が激増する可能性が否定できない一方、延長した場合は、日本での就労を狙い、オリンピック観光客の振りをした出稼ぎ外国人が大挙して来日する可能性もあります。観光ビザに就労を認める特別措置は、早期かつ円滑に終了することが求められます。

【Timely Report】Vol.7572020.12.7号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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