移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:送り出し国

l  「特定技能」の普及が進みません。マスコミは、試験の遅れや入管の準備を理由に挙げていますが、実態としては、監理団体など「技能実習」の関係者が「特定技能」の導入に大反対していることが背景にあります。

l  ある監理団体は、「ウィンウィンの技能実習に比べ、特定技能はデメリットばかり。①転職が可能なので大都市に人材が集中する、②外国人が集中する大都市の治安が悪化する、③送り出し国が反発するというのが特定技能のデメリットだ。③送り出し国が反発するというのは、優秀な人材は日本に永住して母国に帰国せず、優秀じゃない人材ばかりが母国に帰国することになるからだ」と主張し、「10年後を展望すれば、AIが発展して人余りになるだろう。そうすれば、特定技能で日本に連れてきた外国人は、国民の負担になる。不法移民になって治安を乱すかもしれない」という懸念を表明しています。

l  「出稼ぎオンリーの特定技能は筋が悪い。技能実習は5年まで延びたが、さらに5年から7年にまで延ばすべきだ。それが正しい政策である」と提言している監理団体が、素直に「特定技能」の普及に手を貸すとは思われません。

【Timely Report】Vol.574(2020.1.22号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:登録支援機関は「開店休業」中」も参考になります。

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l  11月22日、安全保障上、重要な企業に対する外国人投資家の出資規制を強化する改正外為法が成立しました。従来、外国人投資家が特定業種に属する日本企業の株式を10%以上取得する場合、事前届出が必要とされていましたが、この基準が10%から1%に厳格化されます。このため、今後は、わずかな株の取得でも事前届出が必要になってきます。

l  残念ながら、日本の株式市場は、すでにアジアのローカル・マーケットのひとつに成り下がってしまっており、長期的な成長を期待する有力な投資ファンドは日本企業に魅力を感じていません。魅力を失った国が規制を強化した場合、さらに魅力を失い、おカネが流入してこなくなる恐れがあります。

l  おカネだけでなくヒトも同じこと。「日本の労働市場はアジアから見て魅力的に違いない」と思い込んで、余計な規制ばかりを作ると、来てもらえなくなります。その好例が「特定技能」。入管庁は、試験実施や送り出し国の手続の遅れなどを原因に挙げていますが、「特定技能」に係る複雑な制度や手続もその一因。早急に手を打たないと、労力と時間を無駄にしてしまいます。

【Timely Report】Vol.604(2020.3.4号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:一流の外国人は日本に来ない?」も参考になります。

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