移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:難民申請者

l  3月12日、14カ月にわたり東京入管に収容されているクルド人の難民申請者が体調悪化を訴えたものの、入管は何ら対応せず、心配した家族が呼んだ救急車を2度も追い返すという事件がありました。過去に必要な診療を受けさせずに、収容者を死亡させた事例があるだけに、批判が高まっています。

l  この問題の根が深いと感じざるを得ないのは、加害者である入管の責任官庁が、人権擁護を担当している法務省だという喜劇的な事実です。基本的人権を守る役割を担っている官庁が、人権を無視しているのなら、外国人に限らず、日本人の人権も守ってくれないでしょうし、そんな人たちが運営する法治国家が想定するのは、「人権を守るための法令遵守」ではなく、「お上が思い描く秩序を維持するための規則遵守」に過ぎないからです。

l  収容所での外国人に対する人権無視は、日本人にも無関係ではありません。それは、有罪未確定の容疑者に対する人質司法と同根であり、庶民を慮る心がない官僚主義と表裏一体の関係にあります。そんな法務省が、「特定技能」では、企業に人権擁護を強制するのですから、苦笑せざるを得ません。

【Timely Report】Vol.389(2019.4.15号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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l  大村入国管理センターで一昨年、男性職員が中国人男性に「ボケ」「あほんだら」など暴言を発し、規則違反行為で厳重注意処分を受けていたという事実が発覚。続いて、東京入国管理局の施設に収容中のクルド人難民申請者が昨年5月、職員に抵抗したとして取り押さえられた際、首に怪我をしたことがわかりました。さらに、入管施設に収容された外国人が職員に伴われ病院に行く際、待合室で手錠や腰縄姿を晒されるのは人権侵害ではないかという指摘がネットで話題になっただけでなく、大阪入国管理局に収容中の韓国人男性が施設外の歯科医院で2016年に治療を受けた際、同意なく7本以上抜歯され、精神的苦痛を受けたなどとして国と歯科医院に計約1100万円の損害賠償を求め大阪地裁に提訴したことが報じられました。

l  もっと驚かされるのは、親の在留資格が無くなった子供の扱いに関し、「法務省本局の方針に地方部局である東京入管が従っていない」という指摘です。これが事実であるとすれば、法治を担う法務省が所管する入管は「法治」ではなく「放置」されていることになります。入管は無法地帯なのでしょうか。
民主主義, 独裁政権, 町に署名, 地名標識, 状態, ポリシー, 責任
【Timely Report】Vol.352(2018.2.21)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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