移民総研

諸外国における移民問題を分析・解説していきます。

タグ:難民行政

l  今年10月、国連人権理事会の作業部会は、日本政府に対する意見書の中で、「日本では、難民として保護を求める外国人への差別的対応が常態化している」と指摘し、入管による外国人収容の非人道性を批判しました。

l  入管を批判する勢力は、この追い風を受けて、難民行政の問題点を責め立て、「難民認定率が0.4%では国際的役割が果たせない」「仮放免をもっと柔軟に」「仮放免した外国人に就労を許可すべき」などと主張を先鋭化させています。でも実際に、難民の就労紹介で汗をかいている人は稀です。

l  現在の難民行政に問題があることは否定できませんが、難民を受け入れる社会になっているかについては熟考が必要です。日本語を話せず、また、話す努力もしない難民申請者は大勢います。また、「会社から指示された仕事ができないとき、どうするか?」と聞かれて、「できないことを正当化する」と答えたり、「仕事でミスをしてしまったとき、どうするか?」という問いに対して、「ミスが見つからないようにする」と応える外国人も1割弱います。「難民申請者=善」という前提で進めることは難しいような気がします。

【Timely Report】Vol.7662020.12.25号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  11月25日、来日したローマ教皇が、難民の受け入れを呼び掛けましたが、逆効果だったかもしれません。日本の難民行政には改善すべき点が多々ありますが、その一方、「偽装難民」が多いことも事実です。明らかに「難民」ではないにもかかわらず、人権派が「偽装難民」を「難民として扱え!」という無理筋の運動を展開しているために、攘夷派が「法令違反じゃないか!」と反発し、難民行政に全くメスが入らないという膠着状態に陥っています。

l  この膠着状態を打破するには、まず、合法に在留している外国人について、攘夷派も含め、賛成しないまでも、納得せざるを得ない「在留外国人基本法」を定め、「内国民待遇」の原則を確立するのが先。その基盤の上で「長期収容の問題➡偽装難民の問題➡本当の難民の問題」という風に順を追って解決していかないと、対立する人々の感情的な亀裂を深めるだけです。

l  いきなり「難民問題」に着手すると、攘夷派から「偽装難民はどうした!」「犯罪者も仮放免するのか!」などと怒号が飛び交って、一歩も前進できなくなります。だから、法王の御言葉は入管には届かないのです。

【Timely Report】Vol.598(2020.2.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:収容問題は罰則金で解決する?」も参考になります。

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